PTSD

【PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)】
地震や津波などの自然災害、戦争、犯罪被害、事故、暴力などで強烈な精神的ストレスを受けたことが心のダメージとなり、時間を経過した後も強い恐怖を感じること。

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いったん負ってしまうと簡単に癒えることのない心の傷

●どんな人でもPTSDになる可能性がある

PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、簡単に言うと「心に深い傷を負っている状態」である。

身近なところでよく知られているのは、地震や津波の被害に遭ったときの恐怖がいつまでも心に残って、その記憶が突然蘇ってきたり、よく眠れなくなったりする症状が現れる。それが何カ月も続く場合には、PTSDの可能性がある。また、原因になる体験をした直後には何ともないのに、数週間から数カ月後、人によっては何年も経ってから症状が出ることもある。

ただし、同じ体験をしてもPTSDにならない人もいる。「怖い」の感じ方は人それぞれ異なるからだ。だからといって、怖がりの人や心の弱い人がPTSDになってしまうかというと、必ずしもそうとはいえない。みるからに屈強な自衛官が、海外のPKO活動の任務を終えて帰国した後、PTSDを発症した事例は少なくない。つまり誰でも可能性のある障害だということ。だからPTSDにかかっても、決して「自分は弱い人間なんだ」と自分を責めないこと。

●セクハラを受け続けてPTSDを発症

2008年、兵庫県内にあるアデランスの店舗で、店長から悪質なセクハラを繰り返し受けた女性社員がPTSDを発症し、退職を余儀なくされた事案がある。

ある日、大阪の店舗で店長を務める男性が、従業員の指導のために訪れた。その際、男性はその女性社員に向かって、「ノルマを達成できなかったら(俺の)彼女になるか、もしくは研修か転勤だ」と脅すような口調で言ったという。

その後も男性は女性社員に無理やりキスしようとしたり、体を触ったりするセクハラを次第にエスカレートさせていった。

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女性社員は警察に相談しようとしたが、なんと会社の幹部がそれを妨害。「会社は私を守ってくれない」と不安になった女性社員は会社を休職。

2010年にPTSDと診断されてから特別休暇という扱いになったが、間もなく給与の支払いを打ち切られ、2011年9月に退職を余儀なくされた。

地元の労働基準監督署がセクハラについて労災を認定したので、休業補償給付は受けることができた。だが、心に負わされた深い傷がそれで癒えるはずもなく、女性社員は会社を相手取って計2700万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。

その結果、2014年に、会社と店長の男性が650万円ずつ計1300万円を支払うことで和解が成立したものの、事件を起こした張本人の男性はその後も会社を去ることなく、別の店舗で勤務を続けているという。

アデランスといえば、ブラックなイメージがまったくと言ってよいほど無い会社ではないか。むしろクリーンなイメージがないだろうか。

それにも拘(かか)わらず、裏ではこのように悪質なセクハラを繰り返す上司がいて、しかも被害者の女性がPTSDを発症して会社を追われるというのは、理不尽きわまる話である。クリーンなイメージのある会社でさえ、このありさまである。ブラック企業では何が行われているのか、想像するだけで恐ろしい。

過去の嫌な思い出がつきまとって、いつも辛い、苦しい思いを抱えているとしたら、必ず何らかの心の傷を負っているはず。
「最近の自分、なんだかおかしい」と思い当たることがあったら、精神科や心療内科、あるいはPTSDの知識のある医師の診断を受けてみよう。

平藤清刀




 

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