使い捨て

安い賃金と長時間にわたるサービス残業で人件費を抑えることで会社は儲かるが、社員の努力に報いる考課基準や褒賞がなく人材を育てる制度もないため、心身ともに疲れ果てた社員はまるで燃え尽きたように会社を去って行く。

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使い捨て企業の特徴は大量採用・大量退職

●大量に採用したら人件費がかかるはずだが?

社員を使い捨てにする会社は、初めからそのつもりで採用する。会社の規模に見合わない人数を一気に大量採用して、安い賃金で長時間の労働を強いる。求人広告に書かれてある給料は、じつは「月80時間の残業代込み」なんてことも。残業が80時間に満たない月は、その時間分だけ給料が減らされるが、80時間を超えた分は支払われない。こんな実態が、入社したあとで初めて明らかにされる。

ところが、もともと真面目で勤勉な日本人の国民性が、ここで仇(あだ)となる。給料が残業代込みなら、せめて減らされないように、月80時間の残業を頑張る人もいる。もっともそれは事実上のサービス残業なのだが、減らされるよりはマシと考えてしまうようだ。

無理なノルマ、長時間労働、休日出勤という過酷な条件でも、仕事に慣れてくると意見のひとつも言いたくなってくる。しかも、いくらブラックとはいえ、いつまでも初任給のままだと、それが噂になって外部へ広がると入社希望者が集まらない。そんな古参社員の存在が、会社には邪魔者でしかない。

だから、入社して2~3年経ったあたりから、追い出し作戦が始まる。もっとも入社して半年から1年くらいまでの間に半数以上が辞めている(追い出されている?)ので、しぶとくしがみついている社員を追い出す手段は、そうとう陰湿になる。

まず、もともと無理なノルマをもっと増やす。パワハラ、セクハラ、その他ありとあらゆるハラスメントを仕掛けて、上司からは毎日のように説教と嫌味を浴びせる。風邪をひいて高熱があるのに、「他の人にうつさないように個室を用意した」と言って出勤を強要された事例もあるという。

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そんなことが毎日続いたら、普通の人間なら心身ともに疲れ果てて退職届を持ってくる。会社は待ってましたとばかりに受理して、次の入社希望者を待ち、再びボロ雑巾のように使い捨てるということを繰り返すのだ。

●初任給が不自然に高い会社は要注意

どんな会社で社員が使い捨てられるのか。だいたい4つのポイントに絞って注意すれば、警戒ラインを設定する目安になるだろう。

①面接ではやけに優しく、1~2回の面接で内定が出る。
②初任給が30万円を超えていたら、残業代込みかもしれない。
③新卒者の入社3年後の離職率が3割を超えている。通常0.5割といわれているので、3割超は多すぎる!
④月平均の残業時間が30時間を超えている。

もちろん、これらはあくまで目安であって、当てはまる会社がすべて社員を使い捨てているわけではない。

社員の使い捨てを「悪」とする風潮が主流である一方で、「使い捨ては競争と選別の結果であり、使い捨ては是である」という意見も少数ながらある。だがそれは、健全な条件のもとで行われる競争と選別でなければならず、初めから使い捨てを意図して採用する会社には当てはまらない。

厚生労働省でも「使い捨て」の実態を重く受け止めて、平成25年に「若者の『使い捨て』が疑われる企業等への重点監督」を実施した。その結果、監督を実施した事業場のなんと8割に何らかの法令違反が見つかったという。その内訳は「違法な時間外労働」「賃金不払い残業(サービス残業)」「過重労働による健康障害防止措置が実施されていなかった」という、まさにブラック企業にあてはまる条件そのものだった。

使い捨てにされた経験をもつある男性は、その実態を「まるで燃料のように燃やし尽くされた」と表現した。今の自分は燃えカスに等しく、何をする気力も湧いてこないという。

燃えカスにされる前に、社員を大事に扱ってくれる会社を慎重に選んでほしい。

 

平藤清刀




 

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