タイムカード

労働者が出勤した日付、出勤時刻、退社時刻、休憩時間の記録を、タイムレコーダーで打刻するためのカード。安価で1カ月分の打刻を一覧できる利便性から広く普及し、今も多くの事業所で使われている。

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労働時間を示す動かぬ証拠になる反面、悪用されるケースも

●退社時刻を打った後はサービス残業

タイムレコーダーは手軽に出退勤を記録できるシステムとして、パートタイマーやアルバイト従業員を多く雇用する事業所に広く普及した。最近ではICカードや指紋認証によるシステムも多く導入されているが、システムの導入に費用がかかるため、取り扱いが簡単で安価なタイムカードはまだまだ廃れていない。

タイムカードの利点は、労働時間を機械で打刻するため改竄(かいざん)することが難ししいうえ、誰の目にも明らかな形で残すことができることにある。

ところがその利点を逆手にとって、サービス残業をした証拠を残させないことに利用されるケースが少なからずあるようだ。

残業させることがあらかじめ分かっているのに、上司が指示をして、定時に一旦タイムカードを打刻させる。そして引き続き、仕事をさせるのである。こうしておくと残業をした証拠が残らないので、従業員の方から残業代を要求しにくい。会社からすれば、「記録に残ってない」とシラを切れるというわけだ。

これはたいへん悪質な「サービス残業隠し」であり、もちろん違法行為だ。だが、全体の雰囲気から、自分ひとりだけ正しい時刻を記録するというのも、なかなか勇気のいることかもしれない。そういうときは実際の退勤時刻を記録しておこう。メモに書いておくとか、携帯電話のカメラでタイムレコーダーの時刻表示を撮影しておくなど、方法はあるはずだ。

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●タイムカードの偽装打刻に対抗するために

定時でタイムカードを打って、その時間に会社を出られた。定時退社はしたものの、バッグの中にはやり残した仕事のデータが入っている。自宅に帰ってから、明日の始業時間に間に合うように終わらせないといけない。果たしてそれを「定時退社」と呼んでも良いのだろうか。

仕事をする場所が自宅になっただけで、タイムカードを打った後でサービス残業をやっていることに変わりはないのである。

この自宅での労働も、もちろん残業時間にカウントされるので、残業代が発生する。ただし、それは会社から指示された場合のこと。自発的に仕事を持ち帰った場合は、残業とは見なされないので誤解のないように。

働いた時間帯によっては、残業代のほかに「深夜手当」が発生する場合がある。22時~5時の間に働かせたら、会社は深夜手当を支給しなければならない。

残業代は出すけれども、深夜手当は出したくないという会社があったとする。そういう会社では、残業が深夜に及んだ場合、22時前にタイムカードを打たせるのだ。こうしておけば、あくまで記録上は深夜手当が発生しない。もちろん、これも違法行為である。

定時にタイムカードを打たせて、サービス残業をさせることと本質的には何も変わらない。

もしサービス残業をさせるためにタイムカードの打刻時間を操作されていることが分かったら、残業をしていたことを示すあらゆる証拠を集めよう。会社がタイムカードを盾にとってシラを切っても、他に証拠があれば対抗できる。

作業日報、残業を指示された書面またはメール、残業中に送受信したメールの記録、FAX、上司から作業内容を指示されたメモなど、とにかく「役立つかも?」と思ったら何でも残しておくこと。

ルール違反を犯しているのは会社の方だが、その証拠を集めて会社に突きつける「挙証責任」は労働者に求められることを憶えておこう。

 

平藤清刀



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