解雇

雇用者(経営者)と被雇用者(労働者)との間で結ばれた雇用契約を解除すること。大きく分けると、懲罰的に行われる懲戒解雇と諭旨(ゆし)解雇、会社の都合を労働者が同意して行われる普通解雇と整理解雇がある。

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漫画やドラマみたいに「お前なんかクビだ!」とは軽々しく言えない

●解雇の種類

労働者をひとり解雇しても会社が受ける損失は少ないが、仕事と収入源を失う労働者が被る損失は計り知れない。だから会社は合理的な理由がない限り、労働者をむやみに解雇できないことになっている。
では「合理的な理由」とは何なのか。解雇の種類から見てみよう。

①懲戒解雇
「懲戒免職」ともいう。犯罪行為があった、会社の名誉を著しく損なう不良行為があった、故意に会社の利益を損失させる行為があった、長期間にわたる無断欠勤など就業規則に違反した場合などに下される処分のうち最も重いのが懲戒解雇で、社員としての身分を剥奪(はくだつ)する処分である。
退職金は支払われず、失業保険による給付金を受けることもできないばかりか、再就職の際にも著しく不利になる。

②諭旨解雇
懲戒処分のうち懲戒解雇の次に重い処分。「諭旨」とは「言い聞かせる」という意味で、犯した罪がいかに重大であるかを理解し反省の意を示して、会社に与えた損害を弁済することを約束すれば、処分を一段階減じて諭旨解雇となる場合がある。
一方的に辞めさせる懲戒解雇と違うところは、本人に退職届を提出させることで、形の上では自己都合による退職という扱いにできること。そのため再就職の際はさほど不利にならないし、退職金も減額して支払われ、失業給付金を受けることもできる。
言い換えると、会社に与えた損害が比較的軽く、本人が深く反省している場合に下される温情判決である。

③普通解雇
会社が求めるレベルの仕事ができなくなったときに、就業規則や雇用契約にあらかじめ定められたルールにしたがって行われる解雇。
一応は規則と契約に基づくことになっているものの、どちらも会社が定めたルールである。同意しなければそもそも雇用されなかったことを考えれば、一方的な不当解雇に利用されかねない危険をはらんでいる。

④整理解雇
経費削減を目的として行われる人員削減のための解雇。いわゆる「リストラに遭った」というのがこれである。ただし、整理解雇は誰でも無条件で辞めさせて良いわけではなく、整理解雇の四要件と呼ばれる条件を満たしていなければならない。

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≪整理解雇の四要件≫
1.人件費をはじめ諸経費を圧縮しなければ倒産しかねないほど経営が逼迫している。
2.役員報酬の削減や配置転換など解雇を回避するためにあらゆる努力が尽くされた。
3.非解雇者を選定した理由に合理性があって且つ公平性がある。
4.労働組合や社員代表と折衝して労働者が納得している。

●まさか!? あの大企業がブラック?

世の中にはいろんな業種の会社があるけれど、非ブラック企業の中にも「労働者は社長の命令に従わなければならない。命令に背いたらクビにすればいい」と、まるでブラック企業みたいな考えに支配されている会社がある。

誰もが「まさかブラックじゃないだろう」と思っている日本IBMが、じつはとんでもない方法で社員を大量に解雇していたことが発覚した事案がある。

日本IBMでは「成果主義人事制度」と「成果主義賃金」が導入されており、PBC評価という相対評価システムで「低評価」とされた社員は、「PIP」と呼ばれる業務改善プログラムを受けさせられる。このPIPでも成績が低いと、強制的に退職させられるという。

日本IBMは、このシステムによって毎年15%ていどの社員を入れ替えて、組織の若返りを図っているといわれている。

その辞めさせ方もブラック並みに陰湿だ。朝、いつものように出勤して普段どおりに仕事をしていると、夕方5時頃に上司から会議室に呼び出される。行ってみると、そこにはさらに上の上司と人事担当者が待っている。そして一方的に「解雇通告書」を読み上げられて、5時半の終業時間までに使用中の備品を返納し、私物を整理して出て行きなさいという。質問すら許されず、その日を境に会社のIDカードや社内のイントラネットは無効になるから、業務の引き継ぎもできない。

このように会社から突然締め出されることから「ロックアウト解雇」と呼ばれているが、同様のケースが今、外資系のIT企業で増えているという。

このような理不尽な解雇は、ブラック企業だけの専売特許ではない。いわゆる社会的に名の通った大企業でも、こんなことが平然と行われていることを思えば誰の身に起こっても不思議ではない。大企業と言っても、決して安心はできない。
平藤清刀



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