鬱(うつ病)

抑鬱状態が少なくとも2~3週間は続き、頭痛、めまい、意欲の著しい低下、便秘、疲労感、不眠または過眠など身体的な自覚症状を伴い、社会生活にも支障が出る精神疾患。

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鬱をナメるな! 軽く見ていると生命にかかわることも

●「鬱病」と「鬱状態」は似て非なるもの

そもそも人の気分、精神状態というものは一定ではなく、1日の中でも浮き沈みを繰り返している。

朝、出勤する途中で、頭の上にハトの糞が落ちてきてブルーな気分で出社しても、そのあと上司から褒められたり、営業成績がトップになっていたりして嬉しいことがあったら、たちまちブルーな気分から解放される。そんなブルーな気分もハッピーな気分も一過性のもので、いつまでも引きずることはないはずだ。このように人間の精神状態は、自分で意識していなくてもバランスを保つようにできている。だから一時ブルーな気分になったとしても、バランス機能が正常に働いていれば病気にまで至ることはない。それは、ただの「鬱状態」であり、いつか自然に解消される。

ところが何かの拍子に、ブルーな気分がいつまでも続くことがある。酷いときには自分はダメな人間だと思い込んで、気が付けば死ぬことを考えている。そんな精神状態が2~3週間も続いて、社会生活にも支障が出るようになったときに「鬱病」と診断される。

鬱病にかかってしまった人に対して、絶対にやってはいけないことがある。それは「気のせいだよ」と決めつけて励ますこと。「頑張れ」は禁句である。

最近では精神疾患に対する理解がずいぶん広まってはきたが、年配の人にはまだ精神疾患に知識の乏しい人が多いため、良かれと思って励ましたり、逆に「そんなのは怠け病だ」と叱責したりしてしまいがち。対応を間違えると、最悪の場合は自殺に追い込んでしまうことがあるので、鬱病患者に接する際は、態度や言葉には細心の注意が必要だ。

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●パワハラが原因で鬱病に

凄まじいパワハラをやる社長がいて、殴る・蹴るの暴力、会議での執拗なつるし上げ、10歳以上も年上の部下にも容赦ない暴言を浴びせるなどのパワハラに耐えかねて、会議室から飛び出してそれっきり会社に姿を見せなくなった社員がいるという。極端な例では、入社後わずか3時間で退職した社員もいるというから、まさに絵に描いたようなブラック企業なのだろう。

このような過酷な労働環境の中で長時間労働やストレスが重なると、人間の精神は正常に保てなくなってくる。それが続くと年齢や性別に関係なく鬱状態に陥りやすくなり、自分ではどうすることもできない絶望感から鬱病を発症することがあるといわれる。

はじめは、鬱病だとはっきり分かる人は少ない。出勤しようとすると腹痛や頭痛が起こったり、吐き気に襲われたりする。または朝起きづらくなるといった、体に変調が出てきたら要注意だ。

この時点で早めに専門医の診断を受けて対処すると回復が早いのだが、日本では精神科や心療内科の診療を躊躇(ためら)う人が多いようだ。精神疾患に対する偏見がまだまだ強いことと、本人も「弱い人間だと思われたくない」という変なプライドが障壁になっているからだろう。

初期症状からもう少し進むと、仕事上の小さなミスが続くようになる。自分でも「なんで間違えるの?」と思うような、簡単な足し算・引き算を間違える。ふだん当たり前にやっている仕事の手順が分からなくなる。文章を読んでも、難しい内容ではないのに意味が理解できないなど、本当に「普通にできていたこと」ができなくなるという。

さらに症状が進むと、自分への嫌悪感や劣等感が強くなり、リストカットなどの自傷行為に及ぶ場合もある。不眠や食欲不振でやせ細り、抑鬱や妄想が強くなって、人が見てない隙に自殺を図ることもある。自殺に至らなくても、脱水症状や肺炎を起こして死に至る場合もあるので、精神疾患をたんに「気のせい」と軽くとらえてはいけない。本人は地獄の底でのたうち回るような苦しみに苛(さいな)まれているのだ。

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鬱病にかかった人に必要なのは、とにかく休養である。他の何も心配しなくて良い環境を与えて心身ともに休養させ、専門医の適切な治療を受けさせること。

≪番外編≫
横浜催眠心理研究所が作った、簡単で分かりやすい「鬱・鬱病度診断チェック」があるので紹介しておく。ただし結果はあくまで目安であり、鬱病にかかる可能性は誰にでもあることを憶えておこう。

「鬱・鬱病度診断チェック」→ www.yokohama-shinri.com/check/utsu.htm

 

平藤清刀



 

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