学生が「ブラック企業」認定する基準とは

学生にとって「嫌いな企業=ブラック企業」か!?

口コミを鵜呑(うの)みにしてはいけない

世の中には「ブラック企業」として認識されている会社が少なくない。従業員が過労自殺した「ヤマダ電機」や居酒屋チェーンの「和民」、ワンオペが問題視された「すき家」のように、言ってしまえば自業自得でブラック認定されてしまった会社もあれば、世間を騒がせた事件を起こしたわけでもなく、いたって普通の会社なのになぜか口コミで「ブラック企業」のレッテルを貼られている会社もある。

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とくに問題があるように見えない会社が、なぜブラック認定されてしまうのだろう?

「ブラック企業」を検索すると、かつてブラック企業に勤めていた人の体験談と称する書き込みが数多くヒットする。

断っておくが、ブラック企業に法的な定義はない。一応、違法な長時間労働やさまざまなハラスメントが横行しているという「目安」があるだけ。だから口コミで「ブラック企業」といわれている会社が、本当にブラックかどうかは、実際に入ってみないと分からない。

どんな体験談が書き込まれているのかと思って覗(のぞ)いてみたら、「入社して3日目だけど、1分遅刻しただけで先輩に怒られた。こんなブラック企業、もう辞めたい。1分ぐらいいいじゃないか」という書き込みがあった。

それに対して「1分でも遅刻は遅刻だ、甘えるな!」という反論が書き込まれる一方で、「超有名な会社なのに、ブラックだったのかよ」と「ブラック」というフレーズだけが独り歩きしかねない書き込みもある。

他にも「残業があるからブラック企業」「イヤな先輩と組まされたからブラック企業」「飛び込み営業があるからブラック企業」「お客さんに向かって、大きな声で挨拶させられたからブラック企業」などなど、要するに「やりたくないこと」をさせられたら、なんでもかんでもブラック呼ばわりしているようにしか見えない書き込みが多いことに驚かされる。

自分が辞めてきた会社をネット上でブラック呼ばわりして悪口を書いている人には、「自分に落ち度はない。自分の甘えではない」という体裁を保とうとする心理がはたらいているともいわれる。

本当は学生気分から抜け切れず、辛抱が足りなかっただけなのは本人がいちばんよく分かっているはずだ。だが、それを認めたくないものだから、「入ってみたらブラック企業だった。潰される前に辞めてやったんだ」ということにして、自分に向かって言い訳をしているのだ。

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自分に合わないと言うけれど……

入社して数日~数週間しか経っていないのに「この会社は自分に合わない」と、悩んだり辞めてしまったりする人がいる。

中には本当にブラックな会社もあるだろう。しかし、ブラックだから自分に合わないのか、よく考えてみよう。

世の中にはいろいろな業種の会社があって、事業規模もさまざまである。会社のカラーもそれぞれに異なる。その中から自分が求めているカラーと寸分たがわず一致する会社が、はたして存在するだろうか。

たまたま、本当に○万分の1の確率(もっと低いかもしれない)で会社のカラーと自分が求めるカラーがぴったり合うことが無いとは言えないが、ほとんどの社会人は、自分が会社のカラーに合わせて生きているのである。

入社する前からネットの口コミを見て、「残業があるのか」とか「仕事が難しそうだ」などいたずらに不安がってばかりいると、どの会社もみなブラックに見えてしまい、選択肢が狭まるだけである。

世間ではブラック呼ばわりされている会社が、じつは退職した元社員が悪口を言いふらしているだけということもあり得る。

会社の本当のカラーは、自分の目で見ないと分からない。PCの前から立ち上がって、1社でも多く訪問したり面接を受けたりして、実際に会社の姿を確かめてみよう。

 

平藤清刀



 

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