ワンマン

創業者や社長などの会社幹部を崇拝させて、独裁的に支配する。現場レベルで対応できる些細なことにも口を出し、気分しだいで規則を曲げる。経営スタイルに過剰な自信があるため、他人の忠告に耳を貸さない。

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起業して成功した人なのに尊敬できない

●成功体験に裏打ちされた自信があるだけに頑固

会社の先頭に立って経営を切り盛りし、何か問題が発生したら自ら矢面に立って処理をしてくれるタイプのワンマン社長は頼もしく、社員は社長を信頼して、さぞかし伸び伸び仕事ができるだろう。もっとも社長が矢面に出すぎると、仕事を任せられる人材が育ちにくいという弊害が起こりやすい。それでも、そういう社長が率いる会社なら、間違ってもブラック企業呼ばわりをされることはないはずだ。

ところが、世の中には頼もしい社長だけではない。ワンマンぶりが「横暴」という形になって表れると、ブラック企業と化してしまうようだ。

ワンマン社長に共通する特徴として、自分で起業してあるていど成功を収めてきたことが挙げられる。自分でノウハウを開発し、紆余曲折はあっただろうが成功して会社を成長させてきたことが、大きな自信になっている。だから社員を雇えるようになっても、ひとりで頑張っていた時代の感覚が抜けない。

会社だから一応、就業規則や労働規約はある。36協定もあるのに、社長の気分しだいで曲げられたり無視されたりして、ほとんど機能していないケースが少なくないようだ。

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●ワンマン社長の傾向と対策

ワンマン社長は成功体験に自信を持ち、またそれを誇りに思っている。だからこそ他人の言葉に耳を傾けなくなっているのだが、他にもいくつか共通する特徴が挙げられる。

①じつは能力がある
自分がやっていることに絶対の自信を持っていて、事実そのとおり成功してきた。トラブルやアクシデントも上手く処理してきたということは、やはりそれなりに能力のある人なのだ。だからこそ、他人が無能に見えて仕方ないのだろう。社員を心から信頼することができないのだ。

②朝令暮改は当たり前
社員がワンマン社長に翻弄される原因の最たるものが、じつはこれかもしれない。言うことがコロコロ変わる。重要な決定を下した後でも、気分しだいで簡単に撤回するなど、得意先にも迷惑をかけてしまうことが珍しくない。

③怒鳴る、脅す、癇癪(かんしゃく)を起こす
些細なミスでも怒鳴り散らし、「給料を下げてやる」とか「お前の代わりはいくらでもいるから辞めてしまえ」などと言って脅す。
社員は初めのうちは反発を覚えるが、怒鳴られたり脅されたりすることが日常になってくると、しだいに考える力が薄れてきて、本当に社長の言いなりになってしまうことがある。また怒鳴られることを恐れて、建設的な意見すら言わなくなってしまう。

④昇進と昇給が社長の考えだけで決まる
人事考課に明確な基準がなく、あっても実際には社長の一声で決まる。社長に取り入ってうまく立ち回る社員は昇進が早く、平社員からいきなり管理職に抜擢されることもある。
逆に社長から疎まれている社員は、どんなに能力があっても報われず、早々に会社を去ってしまう。

⑤サービス残業、休日出勤はもはや常識
「定時退社とか残業代なんて都市伝説だよ」と公言して憚らず、起業した頃の自分がそうだったというだけで、社員にもサービス残業や休日出勤を要求する。
そもそも起業した当初の社長は誰かに雇われていたのではなく、自分がやりたいからやっていただけ。同じことを要求される社員はたまらない。

⑥家族を大事にする社員に対する評価が低い
家族を顧みず、がむしゃらに働くことが美徳だと思っている。ただでさえ取りにくい休暇を申請するときに、うっかり「家族旅行です」と言おうものなら、陰湿な嫌味と猛烈な罵声を浴びかねず、その後の昇進や昇給にも暗い影を落とす。

ワンマン社長はなぜ横暴になるかというと、じつは気が小さいからといわれている。これは程度の差はあっても、人の集団にはよくあることだ。

怒鳴る、脅すという態度は他人への威嚇で、自分を大きく見せ(ているつもり)、社員に舐められないように虚勢を張っているのである。

そういう人に正面から対抗しても、よけいに敵愾(てきがい)心をあおるだけ。さっさと辞めるか、しばらく勤めるつもりなら「哀れな人なんだな」と憐憫の情で接するように意識すれば、少しは気が楽にならないだろうか。

平藤清刀



 

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