大量採用

企業が事業の拡大や大量の離職者が発生したことなどを理由に、採用枠を増やすこと。はじめから早期の離職者を見込んで、多めに採用する場合もある。

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キャリアもスキルもなかったら大量採用している企業がねらい目

●大量採用は企業にとって先行投資のリスクを伴う

大量採用といえば、新人研修もそこそこに現場へ投入し、過酷なノルマと長時間労働で社員を使いつぶすブラック企業のイメージが強い。実際そのようなブラック企業が多いけれども、健全な理由で大量採用に踏み切る会社も少なくはない。

社員を大量に採用するということは、そこに発生する人件費が膨れ上がるということなので、会社にとってはある種の冒険である。いわば先行投資になるわけで、投資した分を回収し、なおかつ利益を生んでくれないと困るわけだ。それだけのリスクを冒してでも大量の人員が欲しい理由は、大きく分けて2つあるといわれている。

1つは「事業の拡大」。新しい事業をスタートしたり、新たに活動の拠点を設けたりするにあたって、人員が必要になる。もちろん人事異動であるていど確保するものの、各部署から抜くのでどうしても全体で人員不足になってしまう。将来は新しい事業で人材を育てる必要もあるため、一気に採用枠を増やすのである。

一時的に人件費や諸経費の負担が増えるものの、教育・訓練・研修などを一斉に行えて効率的という利点もある。新卒だけでなく、同じ理由で中途採用の枠を増やす場合もある。

キャリアやスキルのない人には、採用枠を増やしている会社への就活は大きなチャンスかもしれない。

2つ目は、大量離職を見込んでいる場合。残念ながら、こちらはブラック企業に多いようだ。使い捨てを前提に大量に採用しておき、去る者は追わない。

もし誰も辞めなかったら、人件費ばかりかさんで利益を圧迫するのではないかという心配は無用。そんな会社は激務が当たり前になっていて、人の出入りも激しい。極端な例では、3年もすると社長以外は全員が入れ替わってしまうという。

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●この求人広告は事業拡大か? 使い捨て前提か?

民主党の細野豪志政策調査会長が幹事長をやっていた2013年、自身のツイッターの中でこんな言葉を呟いている。

「ブラック企業の特徴の1つは、大量採用、大量離職」

細野政調会長に先見の明があったかどうかは敢(あ)えて言及しないが、その翌年の2014年に連合(日本労働組合総連合会)が行ったアンケート調査の結果が興味深い。そのアンケートは20歳~25歳で就職活動の経験がある最終学年の大学生と院生に対して行われた「就職活動に関する調査」で、男女合わせて1000人が対象。

この中で「ブラック企業のイメージが強い要素」について尋ねる設問では、
「大量に採用している」34.8%
「業務内容が不明瞭」33.9%
「採用広告を年中出している」28.3%
「若手の活躍を強調している」21.4%
という結果になった。

つまり大学生と院生の就職活動において、「大量採用」はブラック判定の最重要ポイントになっていることが分かる。他に「業務内容が不明瞭」「採用広告を年中出している」などが続くが、アンケート結果に出ていない「ブラック判定のポイント」があるので、参考までにあと2つ挙げておく。

1.オフィスが汚い・居心地が悪い
たんに古いというのではなく汚い。居心地がよくないという生理的な要素は見逃せない。また逆に、会社に似つかわしくないほどオフィスの内装にお金をかけている場合もある。要はバランスの問題だ。

2.他社と比べて内定が早く出る
早めに人材を確保しておきたいために、他社の面接を断るように強要したり、誓約書を書かせたりする会社もある。

これらの条件に当てはまるからと言って直ちにブラック企業とはいえないが、ブラック企業にはありがちな条件ではある。

 

平藤清刀



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