会社のゼブラ化

ホワイト企業の中にあって、労働条件や人間関係などがブラック企業を彷彿とさせる過酷さから生まれた言葉。ホワイトとブラックの模様を持つシマウマ(ゼブラ)のイメージから生まれた言葉。

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ホワイト企業の全部が真っ白なわけではない!

●こんなはずじゃなかった!

当サイトの用語解説では、ホワイト企業を次のように説明している。

≪劣悪な労働環境を強いる「ブラック企業」と対極にあることから生まれた言葉。社員を大切にし、心身ともに健康的なビジネスライフを送るための職場環境を整えている企業のことをいう。≫(「ホワイト企業とは」から引用)

社員を大切にし、「心身ともに健康的なビジネスライフを送るための職場環境を整えている企業」がホワイト企業とされているのだが、それは外から見た全体像のことで、中身の細かいところでは必ずしもそうではないようだ。

会社という組織には様々な部署があって、それぞれに役割がある。営業を行う部署、販売を行う部署、開発を行う部署、危機管理を行う部署など、一般的に、会社が大きくなるほど組織は細分化されている。

部署によっては、ブラック企業顔負けの過酷な条件のもとで働いている社員がいて、ホワイト企業の中のブラック部署と呼ばれている。転じて「会社のゼブラ化」という言葉も生まれた。ホワイト企業に就職したからと言って、必ずしも心身ともに健康的なビジネスライフが待っているわけではないようだ。

厄介なことに、世間一般に「ホワイト企業」と認識されているため、ブラック部署に配属されてしまったことを嘆いても「いい会社に入ったんだから、頑張れよ」と的外れな励ましを受けてしまい、実情をなかなか理解してもらえないという。

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●思いのほか深刻なブラック部署の労働環境

ブラック化しやすい部署の共通点というのは特になく、どんな部署でもブラック化する要素があるようだ。
では、ブラック化している部署の実態とはどのようなものか。

・残業をするのが半ば常識とされていて、終電間際の退社が日常化している
・配置されている人員に対して仕事量が多すぎる
・はじめから残業込みで勤務シフトが組まれている
・寝袋を持ってきて会社に置いておくようにと上司から言われた
・顧客からのクレームが尋常な数ではなく、その対応で心を患う社員が多い
・有給休暇を申請しても、直前で当たり前のように却下される
・新人の定着率が社内で最も低い
・新人を育てる気が無く邪魔者扱いする
・上司のパワハラ、セクハラほか、あらゆるハラスメントが横行している
・何らかの形で心を患っている人ばかり配属されてくる
・社内の雑用をすべて押し付けられる
・仕事がない
・配属されている社員の大半が休職中

これらはあくまで極端な事例であって、すべてのホワイト企業に当てはまるわけではない。また逆に、程度の差はあっても、どんな部署にもどれか1つぐらいは当てはまるかもしれない。ホワイト企業とはいえ、そこはやはり人間の集団だから、一点の曇りもなく「真っ白」というわけではないのだ。

配属先の部署がブラックかどうかは、結局のところ本人の感じ方しだいだが、状況があまりにも酷い場合は労働組合に相談してみよう。会社のトップが、現場の細かいところまで把握しきれていないかもしれないからだ。一縷(いちる)の望みを託して、訴えてみる価値はあるだろう。

 

平藤清刀



 
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