草食系ブラック企業

経営者が会社の未来にビジョンを持っておらず、仕事がラク・定時退社・休日出勤なし・完全週休2日制だが、スキルがほとんど身に着かないまま年数を重ねるだけで、自分の可能性を見出せない会社。

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見方によっては肉食系ブラック企業より質(たち)が悪い

●「草食系」は人間のタイプを表す造語

恋愛に極めて消極的な男性を「草食系男子」と呼ぶことが、いつの間にか定着した。
その対義語として「肉食系」という言葉も生まれて、日常語としてすっかり馴染んでいる。

草食系と呼ばれる人たちの世代は、団塊の世代から少し後の「シラケ世代」の子らで、2015年現在で20代~30代前半あたりになる。

彼らの少年期はバブル経済が崩壊した直後で、その後の長い年月を不況の中で過ごすことを余儀なくされた。何事にも淡白な彼らは向上心が無く、異性の友人と良好な関係を築くけれども恋愛には消極的である。

異性に告白する際も、全身全霊でぶつかることはなく、断られたらあっさり諦める。恋愛関係に発展しても、周りが見えなくなるほど燃え上がることはない。

自己主張が強くないので見栄も張らない。自分が心地よいと思えることを優先するから、消費活動も控えめである。

だったら自己中心的かというと決してそうではなく、集団の中での常識的な協調性はもっている。だが、必要以上に交わろうとしないため、上司や先輩からの誘いは、ストレートな表現で断るという。

その理由の1つに「他人と争いたくない」という想いが強いといわれている。親密な関係になるほど考え方や意見の違いがはっきり見えてくるものだが、お互いの想いをぶつけ合って議論したくない。だから初めから仲良くならないというのだ。そのせいか、自分の意見を引っ込めて他人の意見を尊重するところがある。

このように「控えめ」といえば聞こえはいいけれど、何に対しても受動的で積極性に欠けるのが、一般的に認識されている草食系の大きな特徴である。

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●まるで「ぬるま湯」みたいな草食系ブラック企業

これまでさんざん書いてきたように、ブラック企業といえば長時間労働、サービス残業、暴力的な支配によって、社員が倒れるまで働かせる過酷なイメージがある。そのような従来型のブラック企業を「肉食系ブラック企業」と呼ぶなら、その正反対の「草食系ブラック企業」というものの存在が、数年前から密かに噂されていた。

草食系ブラック企業の特徴は、なんといっても「仕事が全然辛くない」ということ。ノルマに追いまくられる肉食系ブラック企業とは正反対である。

・待遇が良いとは言えないが、仕事がラクでノルマも緩い
・定時に帰れる
・完全週休2日制
・休日出勤なし
・家族または親族で経営している

これらの条件だけを見れば「ホワイト企業じゃないの?」と思われそうだが、ホワイト企業とは決定的に異なる点が少なくとも2つある。

それは、
・経営者に向上心がなく、会社の未来に関して何のビジョンもない
・何年勤めてもスキルが身に着かず、キャリアアップが望めない

とくに「スキルが身に着かない」ことは、勤めているときにはなかなか気付かない。転職しようと思ったときに「自分には何もない」と気付いて愕然とするのだという。

転職したいと思っても「いい歳して、何もできないの? それじゃあ来てもらう意味がありません」という話になって、結局また別の草食系ブラック企業に勤める「草食系のスパイラル」にはまって歳を取って行く。

これならまだ、打たれ強さぐらいは身に着くであろう肉食系ブラック企業の方が、マシに思えてくる。もっとも肉食系でも草食系でも、ブラック企業は避けるべきだが――。

もし「今勤めている会社は、ひょっとして草食系のブラックじゃないか」と気付いたら、取るべき行動の選択肢は2つある。

良くも悪くも心身ともにすり減って使いつぶされる心配はないから、ぬるま湯のような生活を続けるか、スキルアップが望める会社に転職するかである。スキルアップを望むならば、でき得る限り早いうちに転職活動を始めよう。

 

平藤清刀



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