自爆営業

会社に課せられたノルマを達成できない従業員が、商品を自ら購入する行為をいう俗語。
郵便局員がノルマ達成のために年賀はがきを金券ショップなどに売って、足りない分を自腹で支払うことから生まれた言葉とされている。

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生活のために稼ぐはずのお金が、会社に奪われる……!

●自爆営業は負のスパイラルを生み出している

「自ら」を「爆破」すると書いて、「自爆」。この言葉に「営業」を絡めて形容されている「自爆営業」とは、いかに恐ろしい行為であるかを想像できるだろうか。

言葉の発祥は、郵便局員の年賀はがきを自腹で購入したことからとされている。

郵政が民営化する頃、年賀はがきのノルマ(販売目標)は厳しくなった。年賀はがきは短期間で高収益を得られるので、ゆうパックなど他の部門の赤字を埋めていた背景があった。そのためか、局員が与えられたノルマは、多い人で1万枚以上にものぼるという。11月の販売開始から年末にかけてこの枚数を完売させるなんて、無理な目標である。

さらに、ノルマを達成できなければ他の局員の前で販売ロールプレイングをさせられたり、反省を言わせたりするという実態もある。

この屈辱を受けないために、局員はノルマ達成に必死になる。そのため売れない分を金券ショップなどに持ち込み、安く売る。当然不足が出て、その分を自腹で支払わなければならなくなる。

しかし、自爆行為の恐ろしいところはここからだった。

郵便局員が金券ショップなどに年賀はがきを安く売ったことで、当然のことながら消費者はそれを安く手に入れることができる。そのために郵便局ではさらに売れなくなり、ノルマの達成がより一層遠ざかってしまう。結果、さらなる自爆営業を助長させているのだ。

自分の首をしめる負のスパイラルは、まさに「自爆」行為そのものである。

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●自爆営業はさまざまな業界で横行している

前述では日本郵便を例に出したが、実にさまざまな業界で自爆営業は行われている。その代表となるのが保険、旅行、コンビニエンスストアなどの販売サービス業である。

また、非正規社員に「ノルマを達成すれば正社員にする」などと言って従わせる企業や、学生アルバイトの労働に対する知識不足を悪用して自爆営業をさせる企業さえある。

いずれの場合も、到底達成できそうもないノルマを与えられるという共通点がある。達成できなければ反省文やただ働き、または減給といったペナルティが課されるため、自腹を切ってでも商品を買おうとする者は多い。

数年前から社会的に問題視されているにも関わらず、自爆営業に改善の兆しが見られないのは、なんとも悲しい現実である。

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●自爆営業は違法なのか?

従業員がノルマを達成できなければ減給となることや、ただ働きしなければいけないというペナルティがあれば、法律に反している。

なぜなら賃金の支払いに対して、労働基準法第24条では「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と規定されているから。

また、会社側が明らかに自爆営業を強要した場合にはパワハラとみなされる可能性もあるので、労働者は損害賠償として慰謝料を請求することもできる。このような場合には、弁護士や労働組合などに相談するといいだろう。

自爆営業しないとやっていけないような企業は、経営が危うい証拠ともいえるのではないだろうか。

就職や転職でこのような職場に入ってしまったら、ひとりで悩みを抱え込まないで、信頼のおける上司や仲間に相談してみよう。また、自爆営業が当たり前に行われているのならば、それが当たり前だと思わずに、第三者からの客観的な意見を聞くことも大切である。

本来ならば生活費を稼いでいるのに、ノルマを達成するために会社の商品を買ってしまっては本末転倒ではないだろうか。

 

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