因果関係

原因と結果の関係。「今年の夏は猛暑だったから(原因)エアコンがよく売れた(結果)」というように、2つの事象において原因と結果の関係を言い切れること。

物理的な因果関係と法律的な因果関係

法的な責任を追及する際には因果関係の立証が重要

2リットル入りの容器に水が1リットル入っている。ここに2リットルの水を加えたら1リットルあふれたという状況なら、原因と結果がはっきりしていて分かりやすい。

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しかしブラック企業がらみの訴訟となると、このように分かりやすい因果関係ばかりではない。

長時間労働や過重なノルマが大きな負担になって鬱(うつ)病を発症し、自殺に至ってしまったという悲劇が、ブラック企業では少なくない。

そして本人の無念を晴らそうと、遺族が会社を提訴する。このときよく争点になるのが、長時間労働や過重なノルマがはたして本当に鬱病の原因だったのか、あるいは自殺の原因だったのかという、いわゆる「因果関係」である。

つまり「鬱病」「自殺」という結果があるとき、その真の原因は何なのか? ということだ。

法律上の因果関係を語るうえで、よく問題にされるのが「条件説」と「相当説」だ。

条件説とは「Aという原因がなかったら、Bという結果はなかっただろう」ということ。上記の場合だと「長時間労働と過重なノルマがなかったら、鬱病にはかからなかっただろう」という条件が認められたら、因果関係ありとされる。

しかしそれでは、自殺した社員にかかわった全ての人や条件が原因になりかねないため、あまりにも広範囲にわたってしまう。

そこで条件説における関係性を前提としながらも、長時間労働と過重なノルマを課したら「“必ず”鬱病になる」という結果を導き出せる場合にのみ、因果関係を認めようという考え方が「相当説」である。

ところが条件説と相当説は、しばしば対立する。なぜなら同じように長時間労働と過重なノルマを課されているのに、鬱病を発症しない人もいるからである。

そのため労働条件との因果関係を立証するのが、きわめて難しいのである。

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残業時間と過労死の因果関係の基準となる「過労死ライン」

厚生労働省の統計によると、2014年度に請求のあった労災のうち220人が過労死と認定された。認定されていない「過労死が疑われる」請求を合わせると445人。1日平均1.2人が、働き過ぎで亡くなっている計算になるという。

このように、長時間労働による過労で命を落とす「過労死」が多いのだが、前出のように因果関係の認定が難しい。そこで厚労省では一定の基準を設けて、それを超えたら過労死を認定しましょうという態度をとっており、いわゆる「過労死ライン」と呼ばれている。

その基準とは、残業時間が1カ月100時間、6カ月平均80時間とされている。

過労死の原因は自殺、心筋梗塞、心停止、狭心症、解離性大動脈瘤など、自殺を覗けばほとんど心臓の疾患である。次いで多いのがクモ膜下出血、脳梗塞、脳内出血など脳の疾患。

残業が続いて疲れが溜まってくると、「疲れがなかなかとれない」「手足のしびれ」「食欲がない」「異常に多く食べる」といった具体的な症状のほか、「なんとなく気分が落ち込んで晴れない」といった不定愁訴(ふていしゅうそ)も表れてくる。

最近6カ月または3カ月の労働時間をチェックして、残業時間が過労死ラインを超えていたら要注意だ。

本来は生活の糧を得るための労働なのに、それが原因で命を落とすのは本末転倒だ。とくに脳梗塞はゆっくり進行する場合があるので、上記のような前兆があらわれたら躊躇(ちゅうちょ)することなく医師の診断を受け、なるべく休養をとるようにしよう。

 

平藤清刀



 

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