クライアント(client)

広告代理店が広告主を指す用語が他の業界にも拡大して、今では一般に「得意先」「顧客」「取引先」のことを指す。「クライエント」という場合は、カウンセリングなどの心理療法を受ける人を意味する。

広告業界の用語が一般化して「取引相手」を指す意味に変化

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コンピューター用語としての「クライアント」もある

「クライアント」というと、今では「取引相手」とか「得意先」という意味で一般化しているが、元をたどれば広告代理店が広告主を指す言葉だった。

そこから他の業界にも拡大して、今ではビジネス上の取引相手全般を指す言葉として理解されている。ちなみに「下請けから見た発注主」のことをクライアントというのに対して、「発注主から見た下請け」をクライアントと呼ぶ例は少ないようだ。

また、心理学の世界では、心理療法やカウンセリングを受ける人のことを「患者」ではなく「クライエント」と呼ぶが、英語表記では同じ「client」で意味も同じである。必ずしも病気とはいえない場合もあるため、このような呼び方が用いられているものと思われる。

以上は対象が「人」であるのに対し、コンピューター用語としての「クライアント」という言葉もある。サーバーから提供されるさまざまな機能やデータを利用する側のコンピューターを指し、またそれらを利用するためのソフトウェアを指す場合もある。

クライアントとの力関係に悩む下請け

ビジネスの世界では建前上、発注主と下請けとの契約は対等な立場で結ぶとされている。お互いに「クライアントさん」と呼び合って円満に仕事を進められる関係がベターだが、実際には「お金を出す側」の立場が強くなりがちだ。

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発注主と下請けとの間で起こりがちなトラブルが、支払いや納期に関することだろう。とりわけ「仕事が終わったのに、クライアントが報酬をなかなか支払ってくれない」というトラブルが少なくないようだ。

発注主が有利な立場を利用して報酬を不当に値切ったり、支払いを先延ばしにしたりすることがある。このようなトラブルをあらかじめ予想して回避し、問題が起こったときは解決を図るために「下請法」という法律がある。

その中身を簡単にいうと、

・発注主は下請け業者から成果物を受領後60日以内に代金を支払うこと。
・下請けに対して書面を作成・交付・保存し、支払いが遅れた場合は遅延利息を支払うこと。
・支払いの遅延、減額、正当な理由なく返品して不払い、買い叩き、自社製品の購入を強制するなどの行為を禁止すること。

以上のように、主に下請け業者を保護するための規定が定められている。

クライアントどうしは、どうしても力関係が生じがち。良い成果を出すためには、お互いの立場を尊重し合うことが大事だろう。

 

平藤清刀



 

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