ブラック企業

従業員に長時間労働や過重なノルマを課す、残業代を支払わないというように、劣悪な条件で負担を強いたり、コンプライアンスを無視して違法スレスレまたは違法であることを承知で行ったりする企業のこと。

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定義は未だ確定しておらず流動的に変化している

もともとは反社会的勢力と結びついている企業を指した

ブラック企業とは、もともとは暴力団や右翼団体など、反社会的勢力と強い結びつきをもつ企業を指す言葉だった。

近年では意味が少しずつ異なってきて、長時間労働を強いられる、しかも残業代が支払われない、ノルマがきついなど、従業員の労働に対してほとんど見返りを与えない企業を指すようになり、さらには企業統治(コーポレートガバナンス)や法令順守(コンプライアンス)を無視する企業もブラック企業と呼ばれるようになってきた。

したがって「ブラック企業とは?」という定義は毎年のように異なり、今なおその定義は変化し続けている。

ただ「ブラック企業とみなせる条件」はあるていど定まっていて、おおむね次の条件に該当すればブラック企業と認識されてしまうようである。

・入社してみると、求人票や求人広告に書いてあった待遇と明らかに異なる。
・試用期間が長すぎたり延長されたりする。
・新人研修がない。あっても形式的か業務の役に立たない。
・初出勤の日から現場へ出される。
・達成できそうもないノルマを課せられる。達成できない分は自腹で買い取り。
・残業と休日出勤が当たり前で、手当がつかない。
・パワハラ、セクハラなどのハラスメントが横行しているのに改善する気がない。
・社長の一族が独裁的に経営している。
・人材を育てるシステムがなく社員を使い捨てにする。
・平均勤続年数が異常に短く、人の入れ替えが激しい。
・離職率が高い。
・常に求人を出している。

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「しまった、ブラック企業だ!」と決めつける前に

ここ数年で増え始めた退職理由の中に「会社の電話に出られない」という、ちょっと信じがたい現象が増えている。

あるていどの年齢になったら携帯電話かスマートフォンを与えられ、かかってくる電話は自分に用件のある人だけ。知っている人からかかってくる電話にしか出たことがないわけだ。

そんな世代が会社に入って最初に受ける試練が「知らない相手からかかってくる電話に出ること」で、これの心理的な負担が想像以上に大きいのだという。

鳴り続ける電話を前にして途方に暮れる新入社員に向かって、上司や先輩が「何をやってるんだ。早く出ろ!」と怒鳴る。するとSNSに「やりたくないことを強制された。この会社はブラックだ」と書き込んで、本当に辞めてしまう。

あるいは定時になっても仕事が終わらない同僚の仕事を手伝うように指示されると、「やりたくもない残業をさせられた」と、これまた「この会社、じつはブラック企業だった」と決めつける若者もいる。

理想に燃えて入った会社だからといって、やりたい仕事や楽な仕事ばかりさせてもらえると思っていたのだろうか。

ちょっとでも気に入らないことや嫌な思いをすると、反射的に「ブラックだ!」と決めつける風潮ができつつあるようだ。

だがそれは「わがまま」とか「辛抱が足りない」だけで、会社がブラックであるか否かは別の問題。くれぐれも間違いのないよう正しく理解する必要があるだろう。

 

平藤清刀



 

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