自殺

自分で自分の生命を断つこと。ほかに「自害」「自決」「自死」などの表現があり、状況や事情などによって使い分けられる。

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高所得の国では精神疾患が原因の自殺が多い

日本で多いのは社会的な要因による自殺

自殺の理由は大きく2つに分けることができる。

末期癌(がん)や難病など治癒する見込みのない疾病を悲観したり、人間関係や金銭問題など解決しがたい問題や苦痛から逃れたりするために死を選択する「自殺願望」と、具体的な理由がないのに漠然と「死にたい」と願う「希死念慮(きしねんりょ)」がある。

WHO(世界保健機関)の調査によれば、所得の高い国で起こる自殺原因の多くが精神疾患、金銭問題、人間関係の破綻(はたん)、疾病などが占めているという。

日本では事業不振、過労、職場環境の変化が根本原因となり、そこから「身体の疾患」「失業」「負債」に発展し、さらに生活苦や家族の不和などから「精神疾患」を引き起こして自殺に至る、きわめて複雑な経緯をたどる自殺が多いといわれている。

日本では年間平均で約3万人もの自殺が発生しているが、その多くに社会的な要因が絡んでいるようだ。

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ブラック企業を淘汰(とうた)できれば自殺者は減るか?

長時間労働や休日出勤による肉体的な疲労と上司からのパワハラや過度なノルマなどで精神的に疲弊し、鬱(うつ)病を発症して自殺に至った事例は、このサイトでも数多く紹介している。

鬱病患者の自殺は、じつは回復の途上で起こるといわれている。鬱病がどん底の状態にあるときは、何をやる気力もなくなるので、その時点で「死にたい」と思っていても行動には移さない。ところが回復する途上で気力が蘇(よみがえ)ってきたときに、自殺願望を行動に移してしまうのである。

しかも鬱病の苦しみは本人にしか分からない。患者の心理状態や病気そのものに基本的な知識のない人からは、患者が怠けているようにしか見えず「気のせいだ」とか「頑張れ」と言ってしまいがちである。言うほうは励ましているつもりで悪気はないのだが、鬱病患者に向かって“いちばん、やってはいけないこと”がじつは「励ますこと」だと気付いていないことが悲劇の引き金になる。

良かれと思って励ましたつもりなのに、かえって追いつめてしまい自殺されたという事例が少なくないのだ。

職場で精神を病むといえば、ブラック企業がすぐに思い浮かぶ。

ブラック企業と呼ばれる会社に勤めていて、過労と精神疾患が原因で自殺した事例は非常に多い。

また日本人の自殺原因が職場の環境に絡む社会的な要因であることを考えれば、ブラック企業を淘汰できれば自殺願望者の大半を救えるのではないだろうか。

WHOは「自殺は、そのほとんどが防ぐことのできる社会的な問題であり、適切な防止策を講ずれば防止できる」としている。

 

平藤清刀



 

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