週休2日と完全週休2日
「週休2日」とは、一カ月のうち2日間の休日がある週が1回以上あることをいう。
「完全週休2日」とは、毎週必ず2日間の休日があることをいう。ただし、土日が連休になるとは限らない。
「週休2日制」と「完全週休2日制」は似て非なるもの
●要注意! 「週休2日制」とは、週に2日間の休日があるわけではない
就職や転職をしようとする時に、企業の求人情報で「週休2日制」または「完全週休2日制」と書かれてあるのを目にすることがあるだろう。同じ意味のように見えるけれども、大きな違いがある。
「完全週休2日制」は、言葉の通り「毎週2日間の休日がある」ことを意味している。一般企業のように土日が休みの場合もあれば、個人経営の病院などのように木曜と日曜が休みという場合もある。
一方、「週休2日制」は「一カ月のうちに2日間の休日がある週が1回以上ある」ことを意味している。つまり、4週間に5日以上の休日があるということだ。
「週休2日制」を「週に2日間の休日がある」と誤解してしまう人は少なくない。この意味を正しく理解しないまま入社してしまうと、「思っていたより休みが少ない」と損した気分になってしまう。仕事よりプライベートを充実させたい人のように、休日を重視するのなら尚更ではないだろうか。
労働基準法第35条では「使用者は労働者に対して、毎週、少なくとも1回の休日を与えなければならない。4週間に4日以上の休日を与える使用者については適用しない」と定めている。極端にいえば、4週間ぶっ通しで働かされたあと4日間連休でも違法にはならない。これを悪用して労働者を使い捨てにしようとするブラック企業には要注意だ。
●祝日なのに出勤!? 祝祭日は必ず休みとは限らない
年末年始やゴールデンウィーク(GW)、お盆など、一般的に休日であると認識される時期であっても、企業や職種によっては出勤しなければならないことがある。
労働基準法では休日の時期や期間まで定めていないので、いつ、どのくらいの期間を休日にするのかを経営者が決めることができる。したがって、祝祭日や国民の休日であっても必ずしも休めるとは限らない。
求人サイトなどで企業情報をチェックする時、休日休暇という項目に以下のようなことが書かれていることがある。それぞれの見方や意味を正しく理解できれば、希望する企業の休日数や時期などを前もって確認できる。
◇「週休2日制(水・日)、祝日、夏季、年末年始」
2日間の休日がある週が月に1回以上あり、水曜と日曜がそれにあたる。祝日、夏季、年末年始にも休みがある。
◇「週休2日制(原則土日)、祝日」
2日間の休日がある週が月に1回以上ある。原則として土日が休みだが、必ずしもそうではない場合がある。祝日は休みであるが、夏季や年末年始は出勤になる可能性がある。
◇「完全週休2日制(土・日)、祝日、GW、夏季、年末年始(業務状況によっては出勤となる場合があります)」
毎週土日は必ず休みである。その他祝日、GW、夏季、年末年始は休みであるが、休日出勤の可能性がある。
◇「完全週休2日制(木・日)」
毎週木曜と日曜は必ず休みである。ここに書かれていない祝日などは出勤になる可能性がある。
◇「週休制(シフト制)」
4週間に4日以上の休日がある。定休日はなく、シフト制である。
これらはあくまで一例ではあるが、休日を確認するポイントとして参考になるはず。
残念ながら、休日・休暇だけではブラック企業かどうかは判断しづらい。休日が少ないからといってブラック企業とは限らないし、ブラック企業だったとしても休日を偽わられては判断のしようがない。
求人情報に書かれてある通りの休日をもらえるか、法律に違反していないか、休日出勤になってもあとから代休を取れるかなど、企業の実態を前もって調べておくのもブラック企業を見極める手段の1つとなるのではないだろうか。
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