マリッジハラスメント(マリハラ)

未婚者に対して執拗に「結婚しないの?」「だから結婚できないんだよ」など、結婚しない理由を詮索したり独身でいることを責めたりするハラスメント。類語に「未婚ハラスメント」や「独身ハラスメント」がある。

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「家庭を持って一人前」という価値観の押し付け

●意外に傷つく「まだ結婚しないの?」という言葉

結婚せずに独身を謳歌しているように見える人でも、心の内では「誰か良い人がいれば結婚したい」とか「そろそろいい歳だし、両親に孫の顔を見せてあげたい」と思っているかもしれない。

しかし結婚だけは自分で計画して何とかできるものではなく、「縁」という偶然性が大きく影響する問題だ。また結婚したくてもできない人もおり、人それぞれに事情がある。もっとも、孫の顔を見せるだけなら、結婚にこだわる必要はないのだが――。

日本だけの傾向だろうか。「結婚して家庭を持ってこそ、人として一人前」という価値観が支配的だ。誰でも一度や二度、親御さんや親戚の人から「まだ結婚しないの?」とか「いい人がいなかったら紹介してあげようか」と言われた経験があるはずだ。

親や親戚に言われるのであれば、身内だから将来のことを考えてくれているのだと好意的に受け取ることができる。だが、職場の上司や先輩にいわれて「他人のあなたに言われる筋合いはない」と、不愉快な思いをしたことはないだろうか。

これがマリッジ・ハラスメント(マリハラ)で、ラブハラから派生して「結婚」に特化したハラスメントが現れたのである。

結婚して子供を設けて子孫を残すという行為に、ある種の絶対的な価値観をおく考え方があることは否定しない。

「種の保存」という観点に立てば、それは正しいのだろう。しかし、それを望まない人に「押し付ける」行為が、平たく言うと「大きなお世話」なのである。

マリハラを受ける側からすれば、それは心の中に土足で踏み込んで来られるに等しい、きわめて不愉快な想いしかない。

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●マリハラにプレッシャーを感じるのは意外にも男性が多い

≪エキサイト恋愛結婚≫というサイトで、2012年に行われたアンケート調査の結果がある。

対象は婚活中の独身男女で、年齢層は限定されていない。「お盆で帰省。家族や親族に『結婚』のこと聞かれた?」という設問では、男性の41.5%、女性の47%が「特に何も言われなかった」という。

では、『結婚はまだ?』とプレッシャーをかけられた男女の割合をみると、男性37.1%、女性27.4%と、男性の方が10%近くも多い。

女性はなるべく若いうちに出産しておいた方がいいという考えから、あらゆる局面で結婚を勧められるプレッシャーを感じているかと思いきや、実際には男性の方がプレッシャーを感じていることが、このアンケート結果から読み取れる。

中には「結婚の話をされるのが嫌なので、帰省していない」という回答もあったという。

結婚したくても相手がいない人には、マリハラはまさに精神的苦痛でしかない。結婚を望んでいない人は、苦痛とまではいえないまでも、やはり不愉快な話題には違いないのである。

今では価値観が多様化してきて、必ずしも「結婚=一人前」という図式は成り立たなくなっている。結婚する・しないは、周囲のプレッシャーではなく自らの意思で決めて良いのではないだろうか。

 

平藤清刀



 

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