試用期間

長期雇用を前提として採用される社員に対し、社員としての適格性を会社が見極めるために設けられる「お試し期間」。この間の勤務態度如何(いかん)で、会社は本採用を取り消す権利を有する。

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真面目に勤務していれば、さほど神経質になる必要はない

●試用期間は何を見られているのか?

ペーパーテストと面接だけで、人物の適性まで見極めるのは無理がある。だから会社はおおむね1~6カ月間の「試用期間」を設定し、人物の適性を確かめようとする。この間に仕事上はもちろん私生活でも問題を起こしたら、本採用を取り消されることがある。
では会社は、試用期間中の社員の何を見ているのだろうか。

≪会社の中でチェックされるポイント≫
・遅刻/欠勤
交通機関の遅れや事故など不可抗力による遅刻はやむを得ないが、「寝坊した」「時間を間違えた」というのは社会人として失格。ましてや無断欠勤など論外である。

・注意力
仕事に集中しているか。注意力が散漫でミスを繰り返すようでは、正確性を要求される職種には適性がないと判断される。

・提出物
採用された直後には、業種や会社によって違いはあるが身上調書、給与の振込先、社会保険に関係する書類など、様々な書類の提出を求められる。示された期限を守らないと、社員以前に社会人として「ルールを守れない人」と評価されてしまう。

・虚偽の申告はないか
採用時に提出した履歴書や経歴書などで資格・免許・学歴などを偽っていることが発覚した場合、それだけで解雇の理由になり得る。

・言葉遣い
新卒なら、敬語がまだ上手く使えないことは大目に見てもらえるが、反抗的な態度や言葉遣いが荒いのは、協調性がなく社内の和を乱すと判断される。

≪私生活でチェックされるポイント≫
私生活まで干渉される筋合いはないと言いたいところだが、ふだんの生活態度があまりに乱れていると、会社の信用を傷つけかねないので必要最小限のチェックは受けるものと思っておこう。

・素行
犯罪行為、飲酒運転、近所とのトラブルなど、自ら起こさないことは当然である。

・SNS
たとえ匿名でも、会社への不満は書き込まない方が良い。ましてや職務上知ることのできた企業秘密を漏らすなど、もってのほか。

これらのことをチェックしながら何を知りたいかというと、大きく2つある。
1つは、組織の一員として働ける「協調性」。もう1つは、上司や先輩の指導をよく聞いて成長できる「素直さ」である。

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●「本採用しない」と判断されたら?

試用期間を法律的な面からみると「使用者の解約権が留保された労働契約」ということになる。つまり本採用した後よりは、いくらか解雇しやすい状態にある。

社員を解雇しようとするとき、会社は30日以上前に予告するか解雇予告手当て支払うことが法律で定められている。ただし入社後14日以内であれば、会社は予告も解雇予告手当てもなく解雇できる特例がある。

めでたく試用期間が明けて、とくに問題がなければ晴れて本採用となる。これには昭和45年に大阪高等裁判所の判例があって「会社は、試用期間が満了した者については、不適格と認められる場合のほかは原則として社員に登用しなければならない義務がある」とされている。

では試用期間中に「こいつ使えねーよ」と判断されたらどうなるか。

試用期間中は「本採用する・しない」を判断できる自由が、会社に留保されている。平たく言えば、通常の解雇より緩い条件で解雇できるわけだ。

だが、無闇に恐れる必要はない。好き勝手に解雇できるわけではなく、その理由には「客観的な合理性」と「社会的にみて相当と認められ得ること」が条件となる。つまり「勤務態度が不良で、指導しても改善が期待できない」「履歴書に虚偽の記載が発覚した。あらかじめ真実を知っていたら採用しなかった」「職務遂行能力を著しく欠いている」など、誰がみても「これじゃ解雇も仕方ないよね」という理由がない限り解雇は認められない。

結論としては、試用期間は会社と社員がお互いに吟味し合う期間だと思えばよい。正しく運用されていれば、会社と社員の双方にメリットがあるわけだ。

だから会社を選ぶ際には「試用期間の設定は適切か」「延長する際のルールは定められているか」「試用期間中も各種保険に加入できるか」を見極めて、間違いのない会社選びをしてもらいたい。

 

平藤清刀



 

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