これが裁判の始まりだった

これが裁判の始まりだった

2019年1月31日、会社の郵便受けに1枚の不在票が投函されていた。

差出人には大阪地方裁判所の文字。

不在票には「特別送達」にチェックが入ってた。

 

私「特別送達・・・なにこれ?」

これが裁判の始まりだった。

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【最初に】

ここに書かれている内容は全て事実です。

「ブラック企業を見極めろ!」で取り上げた会社から訴えられました。インターネット上での情報公開は、どのようなリスクがあるのかを皆さんに知ってもらうべく、今回の裁判に至る経緯や内容を全て可能な限り公開することにしました。

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■私(吉永)・・・ブラック企業の資料サイト「ブラック企業を見極めろ!」の運営責任者。もともとは転職情報サイト(天職ぱんだ)の管理人。1人で会社を立ち上げ、細々と仕事に勤しむ毎日を送っている。

■伊藤弁護士・・・伊藤海大/関西法律特許事務所 所属の弁護士。原告(株式会社オンテックス)訴訟の代理人。訴状ではよくもまあ、私を極悪人のようにめちゃくちゃ書いてくれている。

■株式会社オンテックス・・・「ブラック企業を見極めろ!」のコンテンツ(なぜあの会社はブラック企業と呼ばれたのか)に取り上げられた会社。今回の裁判の原告。

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不在票にチェックがあった特別送達についてネットで調べてみた。

特別送達とは訴訟の被告に対して送られてくる郵便物のことらしい。

たとえ受け取りを拒否しても、玄関前にその郵便物を置くだけで「受け取った」との処理となる非常に強制力を持った通達である。(←豆知識)

特別通達は説明通り、裁判所への呼び出しだった。

裁判は3月7日に大阪地方裁判所で行なわれるとのこと。

訴状には「損害賠償請求事件」と書かれている。へ?事件?

請求額には約300万と書かれていた。

・・・・・・・・・・300万?

「なんじゃこりゃああああああああああ!」

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実は大阪地方裁判所からの通達は初めてではない。

今から約8か月前の2018年6月14日。

この時も株式会社オンテックスと伊藤弁護士の名が入った裁判所からの通達があった。

名目は「投稿記事削除仮処分命令」。

つまり「サイト上に掲載している株式会社オンテックスの投稿記事を削除しなさい」という知らせだった。

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情報サイトが社会のヘイト・スピーカー(道具)にさせられる

ブラック企業の資料サイト「ブラック企業を見極めろ!」は2015年の公開当初から各メディアが取り上げるほど大きな反響があった。

運営者として連絡先や住所なども公開していたことから、「よくやってくれた!」などの応援メールや電話が絶えなかった。

続いてニュースや裁判、SNSなどのブラック企業に関する情報をまとめた新コンテンツ「なぜ、あの会社は『ブラック企業』と呼ばれたのか?」の反響も大きかった。

ただ、このあたりからコンテンツで取り上げられた企業の関係者や、弁護士、友人、学生を名乗る者たちからの「訂正しろ」「消せ」「訴えるぞ」などの声も目につくようになる。中には身の危険を感じさせる内容もあった。

サイトが有名になってくると個人的な恨みからブラック企業と認定させるように訴えてくる者もいた。

ブラック企業への正しい知識や雇用者と雇い主の意識のすれ違いを埋めるつもりで立ち上げたサイトだったのに、世の中のブラック企業にたいするヘイト・スピーカー(道具)として存在しているのではないかと悩むようになっていた。

 

そうして2018年6月14日、裁判所からの「投稿記事削除仮処分命令」通達である。

「指定日に裁判所に来なさい。もし投稿記事の削除命令に異議があるなら話は聞こう」という内容だった。

この通達を見たとき、よい機会じゃないかと思う自分がいた。

「なぜ、あの会社は『ブラック企業』と呼ばれたのか?」のコンテンツを公開して約3年。記事の内容も月日を経て古い情報となっていた。

私はこの命令にすぐに従い、株式会社オンテックスのページだけでなくコンテンツ全てを閉鎖した。

当時の私の心情はサイトに公開してある。

「なぜ、あの会社は『ブラック企業』と呼ばれたのか?」ページの閉鎖について

 

コンテンツの閉鎖から数日後、再び裁判所から1通の封筒が届く。

開けてみると「投稿記事削除仮処分命令」の取り下げを知らせる内容だった。

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記事そのものが削除されたので、相手側が裁判をする必要が無くなったと判断したのだろう。

これで終わったと思った。

だが後々、このような即対応の行為ですら訴状においては「きわめて悪質」と言われることとなる。 

 

200万振り込めば裁判は許してやる

コンテンツを閉鎖してから4か月、「投稿記事削除仮処分命令」も過去の記憶となりつつある2018年10月に1通の手紙が届いた。

あの伊藤弁護士からである。

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内容は
—-株式会社オンテックスの代理人として要求する。お前のサイトによって被害を被ったので、損害賠償として200万払え—-

続いて伊藤弁護士の銀行口座番号が書かれていた。

 

「はぁ?」

思わず声が出た。

手紙にはこうも書いていた。

—-1週間以内に僕の口座に200万振り込まないと、裁判でもっと高額な慰謝料を請求するぞ—–

 

1週間以内に200万?
一瞬アタマが混乱した。

何を言ってるのかわからなかった。

—–ちなみに僕は代理人だから、この手紙の内容について株式会社オンテックスに問い合わせるなよ。絶対だぞ—–

 

・・・・・・・・・・・おや?
手紙を読み続けると、モヤモヤとした違和感が湧いてくる。

もともと株式会社オンテックスと株式会社Web staff(弊社)の話ではなかったのか?

更にこんなことも書いてあった
—–200万を振り込めば、口外禁止条項を含めた和解証明を作成することも考えるぞ—–

つまり200万を振り込んだら「これまでのやりとりは一切口外しない」との誓約書にサインさせられるワケか。

当初の違和感は「疑問」に、そして「疑惑」へと変わりつつあった。

会社同士の話が、表に出ない閉ざされた個人間(私と伊藤弁護士)のやりとりに変わっていないか?

よく見れば、手紙には伊藤弁護士の印鑑と割印は押されていても株式会社オンテックスの社印はどこにも見当たらない。

文面に会社名が書かかれているだけだ。

今回の手紙が株式会社オンテックスの代理であるという証明がない。

私の中の「疑惑」が、ひとつの答えとたどりつく。

「これじゃまるで、振込め詐欺じゃないか?!」

 

 

次々と別の疑問も湧いてくる。

 

株式会社オンテックスが自社の口座記録を汚さないようにしたのか?

この要求内容を株式会社オンテックスは知っているのか?

伊藤弁護士の名前を使って第三者が偽装(イタズラ)した可能性は?

 

ええい!キリがない!

翌日、大阪府警に相談に行った。

 

警察担当者「振り込むな。何もしてはいけない」

大阪府警では担当者に手紙を見せながら説明した。

さらに伊藤弁護士以外の第三者からの可能性も含め、私が考えられることを伝えた。

担当者は私の証言を元に書類を作成し所轄の警察署(刑事課)に回してくれると言ってくれた。

私「手紙には1週間以内に200万振り込めと書いています。私はどうしたらよいのでしょう?」

今後について、ふと不安になり担当者に聞いてみる。

担当者「恐喝・詐欺の可能性がある以上、振り込みは絶対しないでください。あと会社に尋ねてきても絶対に会わないで(玄関を開けないで)ください。電話でも話さないでください。郵便物は指紋を採取する可能性があるので取っておいてください」

私「私からは何もしないほうがいい。ということでしょうか」

担当者「はい、そうです」

 

株式会社オンテックスに直接電話して確認しようかとも思ったが、素人は余計なことはしない方が良いらしい。

私は担当者に頷いた。

 

数日後、刑事課から「警察では対応できない」と連絡が入る。

理由を聞いても答えてはくれなかった。

現時点では恐喝や詐欺を立証するのは難しいのかもしれない。

よくある話だ。

とりあえず相談に乗ってくれた警察関係者の「振り込んではいけない。何もしてはいけない」とのアドバイスを守ることにした。

 

年が明け、2019年1月を迎えた。
相変わらず1人で細々と仕事をこなす毎日を過ごしていた。

 

そして運命の1月31日を迎える。

 

「こいつは悪人だ」と裁判では弁護士が仕立ててくる

会社の郵便受けに1枚の不在票が投函されていた。

差出人には大阪地方裁判所の文字。

不在票には「特別送達」にチェックが入ってた。

 

私「なんだこれ?」

 

裁判は2019年3月7日(木)に大阪地方裁判所で行なわれる。

訴状には「損害賠償請求事件」と書かれている。へ?事件?

請求額には約300万と書かれていた。

「なんじゃこりゃあああああ!」

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とりあえず落ち着け私。

コーヒーを飲む。

続いて社内の清掃もした。

もう一度コーヒーを入れ直す。

椅子に座り、呼吸を整えてから訴状を確認した。

・・・・・・・・・・・・・。

・・・この伊藤弁護士という人物。よくもまぁ、人をここまで悪人のように書いてくれるな。

訴状には「悪質」という言葉が、これでもかとちりばめられている。

一通り訴状を読み終えた頃には冷静になっていた。

冷めた目で訴状をもう一度読み直す。

 

なるほど、株式会社オンテックスと弁護士の手口はよくわかった。

①最初は軽い条件で訴訟を行い、ひとつ受け入れると畳みかけてくる。(←重要)

その過程で何らかの付け入る隙(相手が対応に迷う、時間がかかるなど)を見い出すと、「無視した」「圧力をかけた」「応じない」「悪質」という言葉を用いて、次の裁判の訴状内容に盛り込んでくる。

③時には無茶な要求を相手に突きつけ(1週間以内に200万振り込めなど)、和解に応じない事実を作り上げる。

④つまり被告が普通の人であっても「悪質」を積み重ねて裁判では悪人になるよう仕掛けてくるのだ。

 

2~3回訴状を読みかえし、どっと疲れた。

だが同時に私のやるべき事も決まった。

ブラック企業の情報や就労トラブルなど、世の中にはインターネットで訴える人は多い。

この裁判は閉ざされた空間ですべきではない。

今の私の状況は広く公開すべきだと思った。

同じような状況になる可能性がある人は、私の裁判をぜひ見に来てほしい。

そして、裁判を傍聴できない人たちにも伝えて欲しい。

ブラック企業の被害者に対する支援団体やNPOなど組織的な裁判をする人たちもいるだろう。

だが私と同じように1人で裁判に応じなければならない人が実は大半ではないだろうか。

私の裁判は多くの人の参考になると思う。

裁判は2019年3月7日(木)に大阪地方裁判所で行なわれる。

 

裁判の途中経過も含め、全てこのサイトで情報公開してゆく予定です。

 

ブラック企業の資料サイト「ブラック企業を見極めろ!」 運営責任者 吉永安智

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