東建コーポレーション株式会社

「未払い賃金なし」を画策
会社ぐるみでサービス残業隠し

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配置転換ちらつかせ確認書へのサイン強要

2007年12月、東建コーポレーション(本社・名古屋市)は名古屋東労働基準監督署から、過去2年分の未払い残業代を支払うよう勧告を受けた。残業代の未払いは、労基署が同年10月に、同社の名古屋市内の支店で行った立ち入り調査で発覚した。

命令に従い、会社は社員や元社員に、未払い残業代を支払うことを表明した。しかし、会社が払ったのは未払い残業代の一部だった。会社は全額の支払いを拒んだ。元社員が申請した未払い残業について、「通常の労働時間の概念をはるかに超えており、無理がある」とし、支払いを突っぱねたのだった。

それからしばらく後の翌08年3月27日、岡山のある支店で、支店長との個人面談が行われた。「未払い残業代はあるか。ないのだったら、この確認書に押印し、サインしてくれ」。社員たちは支店長に1枚の紙を差し出された。

「私には未払い賃金がないことを確認しました」と書かれた確認書。到底納得できるはずはなかったが、サインをせざるを得なかった。サインせずに賃金を請求したら、「配置転換」をちらつかされたと語る社員もいた。

岡山、名古屋、福岡で訴訟に発展

「未払い賃金なし」の確認書は、名古屋で是正勧告を受けた会社が、社員に多額の未払い残業代を請求させないために作成した文書だ。

確認書にサインさせるに当たり、会社は個人面談を行う各支店長にマニュアルを配布している。

面談においては、個別に応接室で行うことや威圧的な態度で接しないこと、社員が納得して自らサインするように仕向けるなど事細かに記載されていたという。

こういった会社のやり方に強く憤った社員や元社員は、2009年から2010年にかけて相次いで提訴に踏み切った。岡山、名古屋、福岡それぞれの地裁で、計33人が会社を相手取り未払い残業代を支払うよう求めた。

サービス残業隠しを会社ぐるみで行うことを指示したとして、社長を相手取り損害賠償を求める訴訟も起こされた。

「ひと月の残業時間は100時間を超えており、そのほとんどがサービス残業だった」「休みは月に1日程度」「退勤の時刻は、偽装するよう上司から指導されていた」。社員たちは過酷な労働環境を訴えた。

会社は、社員がサインした確認書を証拠にあげ、支払いの義務を否定したが、弁護団は「文書は労基署の是正勧告を愚弄(ぐろう)するものであり、誘導された確認書は無効」と反論した。

訴訟は、和解が成立したと一部報道されたが、和解の内容は公表されていない。会社が多額の和解金を支払ったと考えられるが、いったん失った会社の社会的信用は簡単には取り戻せない。

w2vbr

社員は駒?

「土地活用のパイオニア」を自称する東建コーポレーションは、土地所有者に賃貸マンションやアパート、貸店舗などを提案し、建築設計から仲介、管理、メンテナンスまで請け負うリース建築を主な事業としている。

1774年に創業し、2003年には東証1部と名証1部に上場を果たし、約1300億円(2015年・連結売上高)の売上をたたき出している。

東洋経済新報社発行「役員四季報」2015年版によると、代表取締役社長兼会長の左右田稔氏の役員報酬は、約3億8000万円。

有価証券報告書で公開されている役員報酬額のランキングで、毎年上位に名を連ねる常連だ。巨額の富を手にした経営者にとって、社員は「駒」にしか見えないのだろうか。

 

関連用語:サービス残業  違法労働  使い捨て



 

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