国立大学法人東北大学

閉ざされた学内で相次いだ自殺
アカハラの根深さ浮き彫りに

過重労働と指導教授からのアカハラによりうつ病を発症

ブラック企業大賞2013でノミネートされた企業8社の中に、東北大学の名が挙がった。

東北大学といえば、「研究第一主義」を掲げる名門校で、国立の教育機関として、東大、京大に続き3番目に創立された歴史ある大学だ。その東北大学が、なぜブラックだと名指しされたのか。

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2007年12月9日、東北大学病院に勤務する同大学薬学部助手の男性(当時24歳)が大学病院の研究室から投身自殺をした。「新しい駒を探してください」と書かれた遺書が残された。

男性助手は07年4月に薬学研究科博士課程に進学したが、指導教授の勧誘により退学し、同年6月、助手として勤務することとなった。自分の研究も続けられるはずだったが、病院内の雑事に忙殺される毎日だった。

同年10月から、指導教授の指示で、抗がん剤の測定実験をほぼ一人で担当させられ、ひと月の時間外労働は100時間を超えた。

その抗がん剤は生殖機能に異常をおよぼすもので、「もう子どもはできない」と周囲に漏らしていた。

さらに指導教授から、女子学生らの前で、「仕事が遅い。なってない。ほかの子を採用すれば良かった」などと人格を否定する発言を受けたという。

遺族の申し出により、12年3月、宮城県労働局が過労自殺と認定。同年12月に、遺族は大学を相手取り、1億円の損害賠償を求めて提訴した。

2年続けて博士論文の受け取りを拒否され、将来を悲観

翌2008年にも悲しい出来事が起こった。8月28日、東北大学理学研究科博士課程の男子大学院生(当時29歳)が、自身の研究ために度々訪れていた滋賀県内で自殺した。

大学院生は07年12月に指導教員である准教授に博士論文を提出したが、受理されなかった。

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具体的な指導や指示はまったくなかったという。この大学院生は06年にも博士論文の受け取りを拒否されていた。2年連続で博士号が取得できず、精神的に追い込まれてしまった。

09年6月に、遺族は大学と准教授に対し、約1億円の損害賠償を求め提訴したが、15年5月、請求は棄却された。

2009年4月、東北大は内部調査をし、「指導に重大な過失があり、自殺につながった」という報告書を公表したが、訴訟については、「指導教員にハラスメント行為はなかった」と請求棄却を求めていた。准教授は同年5月に辞職している。

研究室再開に向け全力を注ぐも、大学から一方的な打ち切りを告げられて自殺

2012年1月31日には東北大学工学部の准教授(当時48歳)が自殺した。

准教授はリチウム電池など先端材料の解析を専攻しており、研究プロジェクトを多く抱えていた。学生の指導にも熱心な准教授だった。

11年の東日本大震災で研究室が全壊。授業の傍ら国内外の出張をはじめ、寝る間を惜しんで再開に向け尽力した。

12年1月半ばにようやく再開のめどが立ったところで、大学からいきなり2年以内の研究室閉鎖を告げられた。疲弊しきった体に精神的ショックを受け、その半月後に自ら命を絶った。

遺族の申請により、2012年10月、労災認定を受けた。その後、准教授の妻は「過労死防止基本法」の制定を求める運動に加わり、「過労死のない社会に子どもたちを送り出したい」と過労死の根絶に向け活動している。

「ブラック」解消のため行動を起こす

ブラック企業大賞2013では、得票数で2位という残念な結果に終わった。特別賞も受賞した。

これに対し、2013年10月24日、同大学の学生新聞に副学長がメッセージを寄せた。「『ブラック』と呼ばれるものを決して許容しないという基本姿勢をキチッと示していく」「1人で悩まないでください。大学は責任を持って皆さんの力になることを約束します」

学校や教育機関で、職場での権限を利用して行われる嫌がらせ「アカデミックハラスメント」は今に始まったことではない。名指しされた東北大学だけの問題でもない。根はかなり深い。それでも少しずつ白日の下に晒すしかないだろう。

 

関連用語:過重労働と過労死 モラハラ 鬱(うつ病)

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