株式会社ハーヴェストホールディングス

委託先が起こした事故で立ち入り検査を受け法令違反が発覚
事業を廃止してそのまま破産申請

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創業から急成長するも値下げ合戦を勝ち抜くための不正が横行

株式会社ハーヴェストホールディングスは、1995年の暮れも押し迫った12月12日に創業。

高速バスと夜行バスを運行する旅行業者として、「ハーヴェストライナー」の名で関西のみならず関東、北陸、中部にも路線を展開し、一時は年商30億円超にまで急成長を見せた。

しかし旅行業界は、顧客獲得のために激烈な値下げ合戦に陥っていた。どの社も採算ぎりぎりの料金設定で、「どこまで下げるか」というチキンレースの様相を見せていた。

過度の値下げは当然に利益を圧迫するから、同社も売り上げが伸びているわりに利益が低調だったのである。

そこへ2011年の東日本大震災の影響により、自社で企画する「温泉ライナー」が運行できなくなり、ますます業績が悪化。

営業所をいくつか廃止して運営の効率化を図っていた矢先の2012年4月29日、バスの運行を委託した「有限会社陸援隊」が大惨事を引き起こす。

関越自動車道上り線を東京方面に向かって走行中、ドライバーの居眠り運転が原因で防音壁に激突。バスは大破、乗客7人が死亡、重体2人、重症12人、軽傷25人の事故となった(当サイト「有限会社陸援隊」を参照)。

この事故のあと「ハーヴェストライナー」の運行は全面自粛。予約済みのツアーにキャンセルが続出し、客離れも進んで資金繰りはさらに悪化していった。

事故に関連して国交省近畿運輸局が立入検査した結果、「乗客に対し、委託先の社名を事前に知らせていない」などいくつかの法令違反が発覚した。

7月4日には観光庁が同社に対して47日間の事業停止処分を下したが、すでに同社は「ハーヴェストライナー」の運行を自粛したことで事業の継続が困難として、事業を停止していた。そして同6日付で事業廃止を申請したのである。

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事故の責任を陸援隊になすりつけたまま破産

じつはハーヴェストホールディングスは、事故の4年前にも国土交通省富山陸運支局から行政処分を受けていた。

乗務員の1日あたりの運転時間が基準を超えていたことと、適切な指導を怠ったこと。そして営業許可区域外で観光バスを運行していたことが理由だった。

そして2012年の事故原因については、「業務が多忙なので、ふだんは夜行バスを外注しない会社に発注したのが原因だろう」と、「不慣れな業務を引き受けた陸援隊が悪い」と言わんばかりの見解を示した。

責任の所在については、すでに裁判の判決が出ているし、遺族らが「被害者の会」を結成して争っているので、ここでは言及を控える。

一方で、同社で働いていた社員の評価はどうだったのかが気になるところ。

法令違反を繰り返し、ドライバーの拘束時間が長かったというから、さぞかしブラックかと思いきや、口コミサイトに残されている元社員の書き込みからはそんな様子はうかがえない。

陸援隊のバスが事故を起こす前年の2011年頃まで勤務していた元社員によると、「自由な社風で意見が通りやすく、拘束時間も長くない。拘束時間もきつくないが、いつ仕事になるか分からない」という。

ドライバーの拘束時間が基準を超えていたことで行政処分を受けた後だけに、多少は改善されたのだろうか。しかし元社員の書き込みは、こう続く。

「休みはあってないようなもの。でも楽だったので許容範囲」

許容範囲かどうかは人それぞれに感覚が異なる。「休みはあってないようなもの」という評価が気になるところだが、労働基準法が守られていたら、このような書き方にはならないのではないか。

 

関連用語:違法労働 コンプライアンス(法令順守) 過重労働と過労死

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