株式会社フォーカスシステムズ

京都・鴨川べりで変死した男性は急性アルコール中毒だった
過度の飲酒が労災認定された初のケース

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不慣れな業務で納期が逼迫(ひっぱく)。半月で50時間超の残業

1977年に創業された株式会社フォーカスシステムズは、東証二部上場の中堅クラスのIT企業である。

同社ホームページによると、業務内容は「コンピュータシステムのコンサルティング・受託開発」「情報セキュリティ関連技術・商品の開発・販売」「Webコンテンツの企画・制作など」となっており、業務の特性上、クライアントからの請負が中心となる。

2006年9月16日の深夜、京都・鴨川の川べりで25歳の男性が亡くなった。彼は同社に勤めるSEで、死因は急性アルコール中毒。傍らにあったウィスキーのボトルは720ml入りだったが、底2cmほどしか中身が残っていなかった。

正常な判断力をもっていれば、こんな無茶な飲み方は避けるはずで、それ以前に体が受け付けないだろう。

亡くなった男性は入社4年目で、この日は会社を無断欠勤していた。一緒に住む両親によると、明らかに疲れが溜まっており、朝食を食べながら寝入ってしまうことがあったという。

後に判明したこの年4~6月の労働時間は月100時間を超えており、5月には200時間を超えていた。

また同じ年の7月には、手慣れたWEB系の部署から離れて「組み込み系」と呼ばれる部署に異動しており、不慣れな業務のため納期が間に合わず降格されていた。

埼玉県さいたま市の自宅を普段通りに出た男性は、この日、会社へは向かわず京都へ向かったのだった。

ちなみに同社の営業拠点は、本社・分室いずれも東京である。

男性の両親は「過労によるうつ病が原因」として中央労働基準監督署に労災を申請。2007年10月10日にそれが認められると、弁護士を通して同社へ補償を求めた。

だが同社から「当社と本件との間に因果関係は認められない」と回答してきたため、2008年1月、1億円の損害賠償を求めて東京地方裁判所に民事訴訟を起こした。

判決は2011年3月7日に、両親の訴えが認められて、フォーカスシステムズに対して5960万円の支払いが命じられた。

精神疾患による自殺ではなく、自ら飲酒した急性アルコール中毒による死亡で、会社の社会的責任を認めた初のケースとなった。

 

京都へ向かった理由は「乖離性遁走(かいりせいとんそう)」という精神疾患

東京地裁は、この男性が京都へ向かったのは「突然放浪するなどの症状があらわれる『乖離性遁走』によるもの」と認定した。

典型的な症状としては、不意に家族や職場を離れて遠くへ旅立ってしまい、しかも過去を思い出せなくなるという。辛い現状から物理的に逃避し、しかも記憶もなくして精神的にも逃避して、何らかの救いを求めていたと思われる。

ところが同社は、一審判決を不服として控訴。

東京高裁で争われた控訴審は2012年3月22日に判決が下され、同社はやはり敗訴。4380万円の支払いが命じられた。

また、男性がそもそも精神疾患を患った原因として、会社が安全配慮義務を怠ったことも認められた。

損害賠償額が一審判決より減額されているのは理由がある。男性はブログをやっており、その執筆時間を減らして睡眠時間を確保する努力ができたのにそれを怠ったとされ、過失相殺の割合を増やされたためである。

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口コミサイトによると同社の労働環境は、待遇に男女の差がないことを評価しつつも、入社後の研修が全くないことへの不満が挙げられている。

まずクライアントありきの仕事なので、激務になるか否かはクライアントしだい。しかし上司によるパワハラがあり、特定の上司の下では離職率が高いことも指摘されている。

 

関連用語:パワハラ 違法労働 過重労働と過労死

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平藤清刀



 

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