オリンパス株式会社

対外的にはコンプライアンスを謳いながら、内情は報復人事とパワハラ
被害に遭った社員が会社を提訴して泥沼化

1e2gf1

報復人事を訴えて勝訴。しかし勝訴したことへの報復人事が待っていた

上司の不正行為を直接諌(いさ)めたが聞き入れられず、社長にも直訴したがこれも聞き入れられず、社内規定に則(のっと)ってコンプライアンス担当に通報したら、なんとコンプライアンス担当から上司に漏れてしまった。閑職に異動させられたHさんは、報復人事だとして会社を提訴した。

オリンパス株式会社は、大正8年に「高千穂製作所」として創業された、日本の光学機器メーカーの草分けである。

日本のみならず世界にも名が知られている企業だが、報復人事、パワハラ追い出し部屋が横行しているという。

Hさんは、営業のチームリーダーだった2007年6月、上司が取引先の機密保持に関して不正を企(たくら)んでいることを察知して、その上司に直接忠告した。

だが聞き入れられなかったため、やむなく社長に直訴。だが、これも無視された。もしこのまま上司が暴走すると、会社は取引先のみならず、その取引先の関連業界全体から締め出されてしまう。

危機感を募らせたHさんは、オリンパスの「コンプライアンスヘルプライン運用規程」に従ってコンプライアンス室へ内部通報。ところが通報者の秘密を守るはずのコンプライアンス担当者が、通報者がHさんであることを上司と人事部長に漏らしてしまった。

結果、Hさんは入社以来経験したことのない研究調査部門に異動させられ、上司から密室で暴言を浴びせられたり、質問しても無視されたりするなどのパワハラを長期にわたって受け続けた。上司を告発した報復人事であることは明らかだった。

Hさんは、この異動と待遇は「公益通報者保護法」と社内の規定に違反しているとして、現役社員の身分を保持したまま、異動命令の無効と損害賠償を求めて会社と上司を提訴した。

裁判は一審でHさんが敗訴したが、控訴審ではHさんが逆転勝訴。会社は上告したが、最高裁がこれを退けたことで、減額された賞与分と慰謝料を合せて会社と上司に220万円の支払いを命じた二審判決が確定。Hさんの勝訴で終わった。

これで5年半にわたる報復人事から解放され、名誉も地位も回復されるはずだったHさんに対し、会社はまたもや事実上の報復人事を発令するのである。

報復人事を受ける前のHさんには6人の部下がいた。裁判が終わって新たに発令された人事では、チームリーダーを解かれてスタッフ、すなわち平社員に降格されたのである。

Hさんが弁護士を介して会社に抗議すると、会社は12月1日付で新設する「品質環境教育グループ」の品質教育チームでリーダーを任命する内示を出した。

ところがリーダーといっても部下はおらず、ろくに仕事もなかった。Hさんを厄介払いするためだけにつくられた、事実上の追い出し部屋だったのだ。

Hさんは異動する直前の11月29日、この異動は報復人事だとして、無効を訴えて再び会社を提訴した。

1324g

退職勧奨を断り続けて追い出し部屋へ

同じ頃もう1人、会社と闘っている社員がいた。

1984年に入社して以来ずっと設計一筋に歩んできたIさんは、2012年の秋から執拗な退職勧奨を受けていた。

「このまま残っても、会社はあなたをどう見るだろうか」
「この先あなたがやる仕事があるかどうか、私は保証できない」

上司からの脅しに近い退職勧奨を断り続けたIさんは、2013年1月1日付で、これまでのキャリアをまったく無視した部署への異動を命じられた。

この少し前、Hさんからの提訴を受けた会社は、形式的にでもHさんをリーダーにするため、1月1日付で2人の社員をHさんの下に配置した。その中の1人がIさんだった。

Iさんは異動の無効を訴えて、社内の総務・人事・法務を取り仕切るコーポレートサービス本部長と会社を提訴した。

2015年7月9日にjinjourが配信した記事によると、Iさんは一審で敗訴している。Iさんは控訴する意思を示したが、オリンパス側はコメントを控えた。Hさんのように、Iさんの逆転勝訴となるだろうか。

Iさんは提訴後の記者会見で、次のような声明文を読み上げている。

「これは私ひとりの問題ではありません。このような理不尽なことを仕事仲間に対して今後一切行わないでほしい。愛社精神があるからこそ、あえて現役社員のまま実名で正々堂々と声を上げる決意をしました」(jinjourより)

キャリアからみても、管理職への道は間違いないと思われた2人。

上司が企んでいた不正を告発したHさん、理由のわからない退職勧奨を断り続けたIさん。2人に何の非があったというのだろうか。

 

関連用語:追い出し部屋 パワハラ コンプライアンス
気になる話題:
東京都議会株式会社ヤマダ電機株式会社クロスカンパニー
話題の体験談:
家族経営のブラック企業で社長の息子からストーカー
某IT企業のブラックな毎日の記憶

 

平藤清刀



 

Copyright ブラック企業 転職エージェント評価 2015 All Rights Reserved.

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP ↑