綜合警備保障株式会社

契約社員が未払い賃金を労基署に告発
直後に指導・警告書を連発され、勤務日も減らされて収入減

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警備業界は自己犠牲が当たり前?

綜合警備保障といえば「ALSOK」の愛称で知られる、日本資本で設立された初の警備保障会社で、女子レスリングの吉田沙保里やウェイトリフティングの八木かなえなど有力なオリンピック選手を多数輩出していることでも有名だ。

人件費のかかる常駐警備は子会社や関連会社に委託して、ALSOK本体は機械警備に重点を置いている。

その子会社の1つ、株式会社アーバンセキュリティに警備職の契約社員として雇用されていたAさん(50歳代前半)が2011年10月、賃金の未払いがあることを東京都内・飯田橋にある中央労働基準監督署に告発した。

Aさんが配属されたのは都内のビルで、1階にある防災センターを兼ねた警備室に2人勤務。

主な業務は出入管理と防災盤の監視、そして定時の館内巡回。防災盤で警報が鳴ったときは、2人のうちどちらかが現場へ走って状況を確認し、本当に火災や侵入者があれば初期対応を行うとともに関係機関へ通報する。

勤務条件は「当務」と呼ばれる24時間勤務で、夜間は警備室に設置されたベッドで仮眠をとる。

休憩時間でも警備室を無人にはできないため、弁当を買いに行く以外の外出はできず、しかも2人のうちどちらかは残っていなければならない。また仮眠中でも警報が出たら対応しなければならず、基本的にいったん上番(勤務を開始)したら、下番(勤務を終了)するまで6畳ほどの警備室に缶詰めになる。

Aさんが「未払いがある」としたのは、休憩時間と仮眠時間にも緊急対応を求められることと、上番前の約30分が着替えと交代の申し送りに充てられているのは、事実上の時間外労働ではないかと疑問を抱いたことである。

労基署に相談したところ、時間外勤務であることが認められ、2011年11月に労基署から会社に是正勧告書が出されて、12月に未払いと認定された分が追加で支払われた。

ところがその直後から、会社はAさんに対して「社長の意見」として勤務日を減らし、結果としてAさんの収入は3割も減ってしまった。しかも理由のわからない「指導・警告書」が5回も発令されたあげく、解雇されたのである。

Aさんは、勤務日を減らされ収入も減らされるという、いわば「兵糧攻め」に遭って会社を追われた。

おとなしく引き下がるわけには行かないAさんは2012年8月、会社に対して地位の確認と未払い賃金など1085万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。

以上がMy News Japanの記事から知り得た事実である。

警備会社の社会的な役割を考えたら止むを得ないかもしれないが……

ここでひとつ疑問が湧く。

上番前の着替えと申し送りが時間外労働と認定されたのは、至極当然のことである。だが、警備会社が行う業務の特殊性を考えれば、休憩・仮眠中の緊急対応まで杓子定規に時間外労働の枠に当てはめて是正を求めていたら、そもそも緊急対応の柔軟性が損なわれるのではないかという、あらたな不安が湧いてこないだろうか。

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「休憩時間はすべての労務から解放され、労働者の自由に使える」という原則を否定はしないものの、警備員が休憩時間に外出して警備室に誰もいないときに警報が出たら、誰が対応するのか?

会社とクライアントとの間で、休憩・仮眠時間の対応についてどうするか、「警備計画書」と「警備実施要領書」の中で具体的に取り決めておく必要があるだろう。

また会社と社員の間にも、何らかの協定が必要なのではないだろうか。

一般の企業とは異なる業務の特殊性を考えれば、杓子定規な議論では解決しづらい問題である。

余談ながら、これは「警備員」の労働条件に関する問題である。

「警備員」とは似て非なる「守衛」は別の次元の話になるので、混同しないようご注意願いたい。

 

関連用語:拘束時間と実働時間 サービス残業 違法労働
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平藤清刀



 

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