サン・チャレンジ

月の労働時間560時間、休日は7カ月間でたったの2日、
しかも上司の私用でパシリをさせられていた店長の自殺

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異常な長時間労働と私生活への干渉

サン・チャレンジは「ステーキのくいしんぼ」「グリム原宿店」「豆腐と酒肴 壱丁」「おにぎりのさんかく山」など、主として飲食店を多角経営する会社である。

サン・チャレンジが経営する飲食店のひとつ「ステーキのくいしんぼ渋谷センター街店」の店長だった24歳の男性社員が、同店が入っているビルの非常階段で首を吊って自殺したのが2010年11月のこと。

2012年には渋谷労働基準監督署が、自殺の原因は長時間労働と上司によるパワハラだとして労災を認定。

それを受けて、男性社員の両親がサン・チャレンジと上司に対して、約7300万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

2014年11月に配信された産経ニュースから、事件の経緯を追ってみる。

この男性が同店で働き始めたのは2007年5月からで、すでにサン・チャレンジで働いていた父親に誘われたのがきっかけだった。父親は2年後、会社の方針に疑問を感じて退社したが、息子の方は残った。

間もなく正社員になった男性は2009年7月に店長に昇格したが、上司からのパワハラはそれよりも早くから受けていたようだ。

判決によると「入社後1年も経たない2008年2月には行われていた」といわれている。やっていたのは複数の店舗を指導する立場のエリアマネージャーの肩書を持つ男性で、自殺した男性の上司である。

パワハラの中身は、言葉によるもののほか暴力もあったという。
・ミスをするたびに「バカだな」「使えねえな!」と激しく罵倒
・ときには殴ることもあった
・厨房にある「しゃもじ」で頭を殴ったことも
・男性が来ていたシャツにライターの火を近づける
・社内恋愛で交際中の女性と別れさせようとした
などなど、判決で認定されたパワハラだけでもこれだけあって、しかも私生活への過干渉もあった。

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開き直る上司「愛があれば暴力も許される」

勤務時間は多いときで1日12時間半にもおよび、月に560時間、休日は7カ月間でたったの2日。残業代は支払われず、ボーナスにも反映されなかった。しかも、わずかな休日にも上司は執拗にパワハラを続けたのである。

自宅で休んでいる男性に電話をかけ「店で使うソースを買ってこい」と命じたり、勤務が終わっても無理やりカラオケや釣りに付き合わせたりしていた。

執行役員からは「なぜ休日を与えないのか」という疑問が出たというが、上司の男性に対して具体的に何らかの指導が為された形跡は、記事からは読み取れない。

現場任せだったとしたら、パワハラを見過ごした会社にも責任が問われる。

事実、判決ではパワハラと自殺の因果関係とともに社長の個人責任までをも認めて、会社側に約5790万円の賠償を命じている。

だが、訴えられた上司の男性は「指導やじゃれ合いを超える行為はなかった」とパワハラを否定し、暴力行為についても「愛があれば良い」として遺族への謝罪を拒んだ。

また会社側も「(仕事が)苦痛なら退職するはず」「自殺に偽装した他殺の可能性がある」「脱法薬物を使っていたのでは?」と主張して、あくまで長時間労働やパワハラを認めようとしなかった。

敗訴した会社側の代理人弁護士によると、自殺の原因は「たんに長時間労働やパワハラだけでなく、ほかに複合的な原因があったと考えている」としながらも、「会社は無用な争いは避けたい。企業としての責任を回避しようとはしていない」という。

以上が産経ニュースから読み取れた事実である。

2015年9月16日現在、サン・チャレンジ側が判決を受け入れたか、あるいは控訴したかという情報は見当たらない。

関連用語:拘束時間と実働時間 パワハラ 労使関係の喪失

 

平藤清刀



 

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