株式会社クロスカンパニー

時短勤務の導入で女性が働きやすい企業をアピールしているが、その実態はいまだ不透明

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入社わずか5カ月で店長の重責

株式会社クロスカンパニーは、アパレルの製造・販売を展開する会社で、従業員の全員を正社員として雇用。「女性が働きやすい企業」をアピールしていたが、ある事件がきっかけとなって労務管理に問題のあることが明るみになった。

2009年10月、東京内にある店舗で店長を務める女性社員が亡くなった。

2011年2月9日、立川労働基準監督署は「極度の疲労とストレスによる過労死」と認め、労働災害を認定した。

この女性社員は、大学を卒業した2009年4月に入社。そのわずか5カ月後の9月に、都内にある店舗の店舗責任者に任命された。入社5カ月の新入社員が事実上の店長として、店の切り盛りを任されたのである。

それは大抜擢とか出世などという、華やかな話ではなかった。日々の販売業務、店舗スタッフの労務管理、店のレイアウト変更、売り上げと日報を作成してメールで送るなど日常業務は多忙を極めるうえに、本社で行われる会議に出席するため、わざわざ岡山まで出張したこともあった。

スタッフが遅刻や欠勤するときは、店長の携帯電話にメールを入れることになっていたので、深夜や早朝に関わらず対応を余儀なくされていた。またスタッフが立て続けに3人退職したときも、会社は人員を補充しなかった。

そこへ追い打ちをかけるように、本社のマネージャーからは売り上げ目標を達成するよう厳しく追及され、女性の上司から「(売り上げが)目標に届いてないのに、よく帰れるわよね」という、イヤミたっぷりのメールが届いたこともあるという。

残されたノートには、本社の会議で「売り上げ目標が達成できなければ、給料も休暇もなし」と言われたことが記されていた。

どんなに頑張っても売り上げが目標に届かないため、この女性は店長に就任した月に5万円以上の商品を自腹で購入していた。いわゆる自爆営業である。

彼女は本社からの凄まじいプレッシャーとストレス、そして長時間勤務による過労に押しつぶされるように、店長就任から1カ月後の2009年10月に若い命を散らすのである。

わずか1カ月で過労死する職場とは、どれほど過酷だったのか。

店長に就任した9月の時間外労働は、労基署が認定しただけで111時間。労基署が把握できていない、すなわち証拠が残っていない時間外労働を合わせると、もっと長時間だったと思われる。

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中途採用者を対象に4時間勤務・6時間勤務の時短労働を設定

今公開されている同社のホームページでは、「4時間や6時間の時短勤務制度」の紹介として、女性社員の働きやすさがアピールされている。

「結婚や育児で時間の制約を受けることの多い女性が正社員として働く機会を増やし、女性の”ワーク・ライフ・バランス”の貢献を目指す」と謳われていて、この制度を紹介したNHKによると、主婦が午前9時から午後1時までの4時間だけ働いて自宅へ戻れば、子供が学校から帰ってくる時間には家にいられるという。

ただし、その対象になるのは中途採用者で、新卒で入社した社員には適用されないという。

つまり中途採用された「子供を持つ主婦」が長時間労働をしない代わりに、正社員にシワ寄せが行っているのではないかという疑問が湧く。

また一方で、「4時間勤務のはずなのに、結局7時間働いた」という声も挙がっているが、いずれも真相は不明である。

また同社は2013年のブラック企業にノミネートされた際には、広報からこのような異例のコメントを出している。

「弊社として、ご指摘のありました2009年の事案を真摯(しんし)に受け止め、労働環境の改善に取り組んで参りましたことをご理解いただければ幸いに存じます」

時短勤務はその取り組みの一環として導入された制度なのだが、はたして正常に機能しているかどうかは、前出のように噂話の域を出ない未確認情報がチラホラ伝わってくるだけで、確かなことが分かっていないのが実情だ。

関連用語:過重労働と過労死 自爆営業 ノルマ(過重ノルマ)

 

平藤清刀




 

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