タマホーム株式会社

“業務命令”のソフトボール参加後に過労死
「ブラック企業大賞」第3位に

会社側による残業時間改ざんの可能性も指摘

有名芸能人が華やかに踊るCMのイメージとは裏腹に、第3回ブラック企業大賞2014にノミネートされ、得票を集めたタマホーム。WEB投票数と会場投票数の合計は2439票に上り、ヤマダ電機、東京都議会に続く3位という結果だった。

男性社員が過労死した事実が広く知られることとなり、過重労働とサービス残業の常態化があぶりだされた。

2011年10月12日、当時47歳の男性社員が同社支店対抗のソフトボール大会に出場後、宿泊先のホテルで亡くなった。死因は急性心筋梗塞だった。

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男性社員は2007年、いわき支店に中途採用され、2010年からは営業職の主任として勤めていた。2011年3月に起きた東日本大震災により、いわき市内の住宅需要が一気に高まったことで、営業職の主任である男性社員に重圧と負担がのしかかった。

男性社員が亡くなる直前に出場したソフトボール大会参加も、業務命令だったという。

遺族は労災認定を申請した。いわき労働基準署は、男性社員が亡くなる半年前の残業時間をパソコンのデータ記録をもとに調べ「ひと月83時間から103時間に及ぶ」と認定した。「過労死の危険ライン」の月80時間を超えている。

さらに、長すぎる残業時間が明らかにならないように、社員同士がパソコン上の時間をごまかす操作をしていた可能性が指摘された。このことから、男性社員の遺族は、ひと月の残業時間は144時間から186時間に及んだであろうと主張。長時間の残業を強いただけでなく、実際行った残業に対して残業代を支払っていなかったことが想像される。

2013年9月、遺族はタマホームを相手に損害賠償を求め提訴したが、タマホーム側は訴状を棄却するよう求めた。

有名タレント起用のCMで知名度向上も

1998年、福岡県で創業したタマホームは、木造住宅の注文建築を行うハウスメーカーだ。当初は九州に基盤を置いていたが、2004年に大阪本社、05年に東京本社を開設し、全国へ展開。現在では200を超える店舗数とおよそ3000人の社員を抱えるまでに急成長を遂げた。13年3月には東京証券取引所第一部に上場し、売上高1800億円規模にまでに上り詰めた。

20年足らずの間に破竹の勢いで事業を拡大した要因は低価格戦略と知名度向上を狙った宣伝戦略がある。

キャッチフレーズは「いい家でしかも安い!」。「坪単価25.8万円」は業界平均の3分の2から半分程度だ。そのため売上棟数の割には売上高が低い。それでも「売上2兆円、業界No1を目指します!」という目標を掲げ、店舗数拡大に励み、知名度を上げるための広告宣伝に費用をかけた。

有名タレント起用のCMやチラシ、東京ドーム、福岡ヤフオクドームのバックネット広告がその一例だ。増え続ける店舗を維持していくには、コスト削減は必須だ。売上が確保できなければ、一気に赤字転落しかねない。材料費とともに人件費が徹底的に削減された。

低価格戦略のしわ寄せ、社員に

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タマホームは店舗拡大に対応するために頻繁に中途採用の募集している。

他社ですでに経験を積んでいれば即戦力となるからだ。それぞれに厳しいノルマが与えられ、達成できずに会社を去る者も多いという。

タマホームの営業担当者は、契約から見積もり、基本設計、内装の打ち合わせなどすべて1人で行う。営業担当者1人当たりの年間受注数も、他社と比べて多い。人件費は大幅に抑制された分、負担は計り知れない。

無謀な拡大路線をとり続けたことで歪みが生じ、現場の社員を過労死に追いやった。業績だけを追い、従業員を軽視する会社に、人が喜ぶ家がつくれるのだろうか。労働力の搾取が巧妙に隠されていることも許しがたい。

関連用語:過重労働と過労死サービス残業企業イメージの偽装



 

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