たかの友梨ビューティクリニック

サービス残業が常態化
訴えた女性従業員を吊るし上げ

月平均80時間の残業が常態化

2014年8月5日、仙台労働基準監督署は「たかの友梨ビューティクリニック」の仙台店に対し、労働基準法違反を摘発し是正勧告・行政指導を行った。

仙台店の女性従業員が労働組合「エステ・ユニオン」(総合サポートユニオン・エステ支部)に加入し、実態を訴えたことがきっかけとなった。

1カ月当たり平均80時間に及ぶ残業が常態化し、「大半の残業代が支払われていない」「休憩時間が確保できない」「有給休暇が取得できない」「売上ノルマ達成のため“自爆営業”させられた」「産前産後の休業や勤務について配慮がない」などの内情が明らかにされた。

たかの友梨ビューティクリニックは是正勧告を受けたことをすぐに認め、残業代未払いについては計算違いだったと説明。しかしこの件はこれで終わらなかった。

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8月21日に、当時の社長である高野友梨氏が急きょ仙台を訪れた。翌22日に、仙台労働基準監督署が出した是正勧告についての記者会見が行われることを、事前に知り得ての行動だった。

飲食店に仙台店の全従業員を集め、内部告発をした女性従業員を正面に座らせ、約2時間半話し続けたという。「労働基準法にぴったりそろったら絶対成り立たない」「つぶれるよ、うち、それで困らない?」「そんなふうにみんなに暴き出したりなんかして、会社つぶしてもいい?」。労働組合に加入した従業員がほかにいないかも問いただしたという。同僚たちの前で名指しされ、吊るしあげられた女性従業員は、あまりの恐怖に精神的ショックを受け、職場に戻れなくなってしまった。

これに対し、女性従業員はエステ・ユニオンを通じて、8月28日、宮城県労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てる。生々しいやり取りは録音されており、記者会見で公開された。瞬く間にインターネット上で広がりを見せた。パワーハラスメントの十分すぎる証拠になった。

一連の醜聞により、たかの友梨ビューティクリニックはブラック企業大賞2014にノミネートされた。授賞式を4日後に控えての緊急ノミネートだった。WEB投票と会場投票数の合計は1049票で7位となり、「業界賞」を受賞した。

マタニティハラスメントも明るみに

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たかの友梨ビューティクリニックを運営する「株式会社不二ビューティ」は1978年に創業。東京に本社を置く。売上高150億円(2014年9月期)で、およそ120の店舗と1000人を超える従業員を抱えるまでに成長を遂げたが、その裏で従業員は過酷な労働を強いられていた。

2014年10月29日、仙台店の従業員2人が不二ビューティに対し、未払い残業代約1000万円の支払いを求めて仙台地裁に提訴。「身も心もボロボロだった」と述べている。

同日、都内の支店勤務の従業員が同社に対し、被ったマタニティハラスメントの慰謝料と未払い残業代を合わせて約1600万円の支払求めて東京地裁に提訴した。「産休をなかなか認めてもらえず、出産3カ月前まできつい仕事を長時間させられ、切迫早産になった」と訴えた。

労働環境の整備を約束、ホワイト化に期待

いずれの訴訟も和解が成立し、訴訟を取り下げている。2015年2月19日には、不二ビューティとエステ・ユニオンの連名で、「ママ・パパ安心労働協約」を締結した。妊娠・出産・育児において、「法律が義務付けている水準を大幅に上回る労働環境を整えていく」と掲げている。一時的な改善で終わることがないよう、エステ・ユニオンと会社の継続的な交渉が不可欠だ。

「ブラック」のイメージはすぐに消え去ることはないが、「ホワイト」に向けて動き出したことに期待したい。

なお、創業者の高野友梨氏は4月10日付で社長を辞任し、会長職に就いた。社長辞任は「パワハラ問題とは関係がない」としている。

エステ・ユニオンは、エステ業界で働く人の職場環境の改善を目的に、2014年発足した。電話による相談は全国から受け付けている。エステ業界での就職や転職の支援も行っている。

関連用語:パワーハラスメントマタニティハラスメント自爆営業



 

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