ワタミフードサービス

ブラックへの道をひた走った10年間
勤務時間の切り捨て・懲罰的解雇・従業員の自殺・ワタミ語録……

内部告発で勤務時間の切り捨てが発覚、労基署が是正勧告

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今やブラック企業と言えば居酒屋チェーン「和民」といわれるほど、イメージが定着してしまった。創業者の渡邉美樹氏は、まさか初めから「ブラック企業を作るぞ」と志して起業したわけではないはず。ブラックの烙印を押されるまでの経緯を追ってみると、不祥事への対応の拙(まず)さが、企業イメージを悪化させてきたことが分かる。

マスコミに「和民」の名が出て騒動になった最初の事件は、おそらくパート従業員による内部告発だろう。

2006年6月2日配信の産経新聞によると、大阪府に住む20代の男性が、賃金の未払い問題で労基署に告発した直後に解雇されたため、「これは報復的な解雇だ」として、ワタミフードサービスに約450万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。

この男性は2003年4月から「和民・香里園駅前店」でパートとして働いていたが、勤務時間から30分未満の端数が切り捨てられる事実上の賃金未払いがあることを、北大阪労働基準監督署に通報した。

同社は労基署から是正勧告を受けて内部調査を行い、その結果47店舗217人に未払い分の賃金があることが発覚し、計約1200万円を支払った。

だが、労基署に通報したこの男性は、上司から「労基署に行く奴は会社の脅威だ」と言われて解雇されたという。

渡邉氏は2008年、「日経レストランonline」のインタビューを受けた際にこの問題について尋ねられ、解雇したことは認めたものの「報復で解雇したというのは事実無根です。個人情報なので多くは語れない」と答えている。

ブラック認定が決定的となった女性従業員の自殺事件

2008年6月、「和民はブラック企業である」というイメージを決定づけた事件が起こった。その年の4月に入社したばかりの女性従業員(26歳)が、長時間労働が続いたことによる過労が原因で自殺したのだ。

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1カ月に100時間を超える残業、最長7日間連続の勤務、わずかな睡眠時間を削ってまで研修会への参加を強制されたことなどが続いて、体調不良を訴えていた。にもかかわらず、会社は適切な措置を取らなかったとして、両親が横須賀労基署へ申請した労災が認められた。

両親はさらに1億5千万円の「懲罰的な損害賠償」を求めて2013年12月、東京地裁に民事訴訟を起こしている。

2012年5月26日付の東京新聞によると、女性従業員が自殺した後も、36協定に違反した長時間・休日労働が発覚して10件の是正勧告を受けていたことが明らかになった。

ワタミフードサービスでは、2009年以降には36協定で時間外労働の上限を120時間から75時間に引き下げていたが、是正勧告を受けた10件のうち3件で、厚生労働省が定める「過労死ライン」と呼ばれる「月80時間」を超えていたという。

他にも2010年4月26日には「和民・桜木町野毛店」の火災、2007年~2012年にかけてノロウィルスによる食中毒事案が6件、介護事業ではお年寄りの死亡事故など、不祥事で片付けるには重大すぎる事件・事案を立て続けに起こしている。

さらに、いわゆる「ワタミ語録」で、違法労働を正当化するような発言も目立つ。もっともその発言の裏には渡邉氏の真意が隠されているのだが、ネット上では渡邉氏を批判する目的のために語録の一部が故意に切りとられて別の意味にすり替えられて、独り歩きしている例が多い。

これだけブラックなイメージが定着してしまうと、完全に払拭することはそうとう困難だろう。

 

関連用語:36協定ブラック企業大賞ブラック名言

 

平藤清刀



 

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