王将フードサービス

禁酒・禁煙・禁ケータイ、厳しすぎる新人研修でブラック認定
なにをもって「軍隊式」と呼ぶ?

2013年卒就活生に聞いた「絶対に入りたくない企業」6位の不名誉

「餃子の王将」を展開する「王将フードサービス」が、2013年卒の就活生に聞く「絶対に入りたくない企業」で、「オリンパス」と同率6位という不名誉に輝いた。大東隆行前社長は2000年に社長に就任してから、それまで約470億円の有利子負債を抱えて倒産寸前の危機にあった同社の経営を立て直し、2011年3月期の決算では最高益を記録した。

だが、それ以降は既存店舗の売り上げが伸び悩み、加えて材料費や人件費の高騰などの悪条件が重なった。2013年9月期決算では、売り上げこそ前年同期比1.6%増となったが、営業利益は19.5%減となった。

「餃子の王将」といえば、量が多くて安い、いつ行っても客が途切れない印象がある。それにもかかわらず、営業利益がマイナスに陥って、しかも就活生からも嫌われているのは、あるテレビ番組と事件が関係しているのではないかといわれている。

2010年4月11日、日本テレビ系「TheサンデーNEXT」で、同社の新入社員研修の様子が紹介された。

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3~4日の泊まり込みで行われる研修中は禁酒・禁煙はもちろん、携帯電話も会社に預けて、テレビや新聞なども禁止。外部との接触を一切絶たれる。そして朝6時に起床してランニングから始まる日課はスパルタ式で、新入社員たちは夜11時の消灯まで徹底的にしごかれる。学生時代とはまるで別世界の厳しさに耐えかねて、泣き出してしまう者もいるという。

これが放送されるや、ネット上では「まさにブラック」「社畜怖い」「洗脳だ」「いまどき軍隊式かよ」といった否定的な意見が数多く書き込まれる一方で、「これで泣き出すなんて、どれだけ”ひ弱”なんだよ」「感動した」など、スパルタ式の研修を賞賛する意見も書き込まれた。

犯行動機は恨み? 大東前社長射殺事件の暗い影

テレビで放送された研修の内容について、同社はホームページに釈明を掲載した。
要約すると――

・言われたことだけをしていればよいという受け身の姿勢では、お客様に愛される店作りはできない。

・これまで個性や個人の自由が大切だという名目で放任されてきた自己中心的(我儘)な行動は許されないことと、挨拶や礼儀、マナー、仲間への気配りなどを社会人として身に付けなければならない。

・家庭や学校でこうした躾(しつけ)をされる機会が少なく、叱られた経験さえ少ない若者を受け入れるにあたって、通り一遍の無難な研修だけでは学生気分から脱却させることはできない。

・新入社員研修を通じて、彼らにいちばん教えたいことは「感謝を知ること」

・そのためには仲間と一緒に汗を流し、涙を流し、何かに甘え何かから逃げようとしてきた自分に向き合いながら、自分の殻を破ること。それができたときに味わう感激と感動は、仲間に支えられたからこそだという感謝を知ること。それが研修の意味であり、目的である。

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同社では番組が放送される10年前から、このような研修を行っていた。編集によってインパクトの強い部分だけが放送されたため、視聴者から「前時代的だ」「軍隊式だ」という反発を招いてしまったようだ。

こうした騒動から約3年後の2013年2月、当時25歳の従業員が「長時間労働のため鬱(うつ)病になり、休職を余儀なくされた」として、会社に損害賠償を求める訴えを起こした。鬱を発症する前6カ月間の時間外労働は、月平均135時間だったという。

同年6月には「ブラック企業大賞」にノミネートされてしまい、12月19日早朝にあの事件が起こる。

大東前社長が自家用車で出社したところを、何者かによって射殺された。後に警察の調べによって、凶器は小口径の拳銃と断定された。

会社は記者会見で「思い当たるふしはない」と説明したが、メディアでは「軍隊式の研修でしごかれたことによる恨みかもしれない」という憶測が飛び交い、研修の様子が再び取り上げられたことで「絶対に入りたくない企業」として認識されてしまった。

余談ながら、「朝日学情ナビ2016」で2015年8月19日に更新された同社・人事担当の話によると、今の新人研修は、かつてテレビで紹介された頭ごなしに「やれ!」という内容ではなくなっており、グループワークを通して、みんなで力を合わせて答えを求める方式に変わっているという。

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関連用語: 体育会系の社風モラルハラスメント精神論

 

平藤清刀



 

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