株式会社ヤマダ電機

過重労働常態化で自殺社員相次ぐ
2014年「ブラック企業大賞」を受賞

「会社側に反省の色が見られない」点も指摘

家電量販店最大手の『ヤマダ電機』がブラック企業として不信の目を向けられるようになったのは、2004年に神奈川県内の店舗に勤務していた社員の自殺が明るみに出たことが発端だ。これまでに明らかになっているだけで3人の社員の自殺者が出ており、背景として店舗急拡大に伴い過重労働を強いられたことなどが指摘されている。

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『ヤマダ電機』は1990年代後半、大型店舗出店の規制緩和に合わせ、他社に先駆けて全国で大型店舗の出店攻勢に出た。

2000年の東京証券取引所第一部上場以降は、新店の出店とともに既存店の大型化・郊外化、地元資本電器店の提携や買収によって全国展開を加速していく。02年には家電量販店最大手となり、05年2月には専門量販店としては日本で初めて売上高1兆円を達成している。

こうした積極的な店舗展開の裏で、社員に大きな負担がかかっていたことは想像に難くない。04年9月には神奈川県内の店舗で働いていた当時29歳の契約社員の男性が勤務時間中に職場の近くで自殺し、05年に遺族が「上司からの罵倒によるもの」と提訴した。

07年9月には新潟県柏崎市の店舗に勤務する当時23歳の男性社員が社宅で首吊り自殺。男性社員は新店開店前の一カ月前に契約社員から正社員に昇格し、建前上管理職扱いされ残業手当が支払われない「名ばかり管理職」として新店売り場のフロア長を任された。

労働基準監督署は、亡くなる前1週間の時間外労働は47時間30分と極度に多いことを認め、労災認定をした。また、13年7月には営業不振に苦しむ福島県田村市の店長(当時39歳)が練炭自殺している。

「週刊文春」(13年12月19日号)は入手した内部資料をもとに、13年9月7日以降の4週間で、残業時間が40時間を超えた従業員は全国607店舗で1819人おり、さらに46人の店長が厚生労働省の定めた「過労死の危険ライン」の月80時間を超えながら残業代がほぼ支払われていなかったことを明るみにしている。

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ブラック企業の実態を周知させる目的で行われている「ブラック企業大賞」(同実行委員会主催)で『ヤマダ電機』は2014年の大賞を受賞。WEB投票と会場投票で5256票を集めて他を圧倒した。

同委員会では、ノミネート理由として、サービス残業が常態化し、過労自殺が繰り返されている点を重視した。委員の一人である水島宏明・法政大学教授は、「会社側に反省の色が見られないことなどを勘案して、総合的に選んだ」と説明している。

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偽装請負の問題も表面化

同社では以上のような過労自殺、サービス残業だけでなくメーカー派遣者問題についても報道で糾弾されたことがある。

「メーカー派遣」とは、家電量販店側が新装・改装オープンなどの際に家電メーカーに従業員や派遣労働者をヘルパーとして送り込むよう要請すること。

小売業界では常態化している手法であり、メーカーが自社商品について販売促進業務を行う場合には問題はない。

ただし『ヤマダ電機』の場合、棚卸し、陳列、清掃など本来は『ヤマダ電機』が行うべき業務をさせながら相当の対価を支払っていないことが職業安定法44条の二重派遣(偽装請負)にあたる行為として07年1月23日付の「読売新聞」にスクープされた。

一連のケースから判断すると、人をモノとして扱うことに痛みを感じない企業風土が根底にあると言わざるを得ない。

『ヤマダ電機』は、2015年に入って5月末に46店、また6月末に11店の店舗整理を発表するなど従来の拡大路線から転換を図りつつある。無理を押して闇雲に売上拡大を図ってきたツケはあまりにも大きい。

関連用語:コンプライアンス(法令遵守)過重労働と過労死サービス残業



 

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